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資生堂が業務アプリクラウド「kintone」採用、Notes環境からの移行図る

Excel運用の課題解決にも活用

 サイボウズ株式会社とM-SOLUTIONS株式会社(以下、M-SOL)は22日、株式会社資生堂が、サイボウズの業務アプリクラウド「kintone」を採用したと発表した。資生堂は、研究開発拠点における情報インフラとして利用している。

 資生堂では、1990年代後半からIBM Notesで構築され運用してきた約500個の掲示板やデータベースと、約40チームの研究テーマを統合管理してきたExcelでの運用管理を改善するため、これらのシステムをクラウド基盤へ移行することを決定した。

 このうち、Notesから移行する基盤については、「スピード」「移行コスト」「24時間のサービスが可能なインフラ」を要件として検討。また、2015年にオンラインストレージ「Box」を導入しており、Boxと連携できるサービスであることも重視したという。

 そして、これらの要件に合致したシステムとしてkintoneを採用したほか、Notesからの移行ツール「Smart at migration」を持ち、移行実績もあるM-SOLを移行のパートナーとして選定した。同ツールでは、Notesの設計情報をもとにkintoneアプリの自動生成、データ移行を行うため、調査期間・アプリ構築時間・コストを従来よりも削減できる点を評価している。

 一方、Excelの管理については、研究所内のチームからExcelシートが届けられ、その情報を本社側で管理用のシートに転記して運用していたが、使いやすいシートではなかったほか、属人化した形で情報が届くため、それらの情報を統合するだけでも多くの時間が必要になってしまっていたという。

 そこで、この管理をクラウドサービスのkintoneに統合した。kintoneであれば、インターネットを経由して研究者全員がいつでも最新の研究テーマ、その内容などの詳細情報を簡単に共有可能。過去の情報もきちんと蓄積・検索できるので、数年前の研究アイデアであっても、過去の情報にきちんとたどり着ける点もメリットとした。

 さらに、日本と海外での研究テーマ管理を統合し、研究の進ちょく状況を同じインフラで管理できるものを希望しており、その面でもkintoneは要望に合致していたとのこと。

 資生堂ではまず、研究テーマのExcel管理をkintoneに置き換えることからスタートしており、現在は日本の研究者を中心に1000名弱が利用できる状況。従来Excelで入力していた研究テーマはすべてkintoneのアプリ上に登録され、情報共有が行われている。この結果、以前は期初に研究テーマを集めていたが、現在はテーマの設定から推進への移行や、進ちょく管理をスムーズに行えるようになったとした。なお、Excel関連のアプリ制作もM-SOLが実施している。

 また、現在はシステム承認をするためのアプリや庶務連絡に利用する掲示板アプリなど、20を超えるアプリが稼働しており、掲示板アプリには多い時に1日30件あまりが書き込まれるなど、kintoneへのアクセス数は順調に伸びているという。

 今後は、Notesで運用してきた各種データベースを、2018年末をめどに移行する計画で、Notes移行ツールのSmart at migrationを用いて、既存Notesのサポートチームが対応する予定である。