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ヤマハのインテリジェントL2スイッチがリニューアル、スタティックルーティング対応の「SWX2310シリーズ」

認証機能なども強化、ライトL3スイッチの新製品も提供

 ヤマハ株式会社は、第2世代のインテリジェントレイヤ2(L2)スイッチ「SWX2310シリーズ」を、2020年1月より販売開始すると発表した。また、既存のライトレイヤ3(L3)スイッチのラインアップに、多ポートモデルの「SWX3100-18GT」を追加する。

2世代目となるインテリジェントL2スイッチ「SWX2310シリーズ」

SWX2310シリーズ

 ヤマハでは、インテリジェントL2スイッチとして「SWX2300シリーズ」を2015年9月より提供してきたが、今回提供するSWX2310シリーズは、その後継となる製品。ヤマハネットワーク製品の統合管理機能である「LANマップLight」、豊富なスイッチ機能など、SWX2300シリーズの機能を継承しつつ、さまざまな点を強化している。

 具体的には、Gigabit Ethernet(GbE)×48ポートの大容量モデルを追加したほか、一部モデルを除いてアップリンク用ポートにSFP+を採用し、10GbEをサポートした。

 また、MACアドレス認証、IEEE 802.1X認証、Web認証のトリプル認証に対応するほか、1台のスイッチで複数の認証機能を併用することも可能。MACアドレスによって通信許可端末の制限を行うポートセキュリティ機能を搭載しており、通信を許可する端末をあらかじめ登録しておけば、不正アクセスがあった場合にパケット破棄やポートのシャットダウンなどによってセキュリティを確保できる。

 さらにダイナミックVLANを用いることで、接続するポートに依存することなく、ユーザーを特定のVLANに所属させることが可能。例えば学校において、校内のどこに移動しても、先生のネットワークと学生のネットワークを自動的に分離する、といった使い方が可能になるとした。

 このほか、L2スイッチでありながらスタティックルーティングに対応した点も大きな特長で、経路情報を手動設定することにより、特に小規模のネットワークにおいて、低コストかつ安定したネットワークを構築できるという。VLAN間のルーティングにも1台で対応可能になり、上位にルータやL3スイッチを介す必要がなくなることから、ネットワークの負荷軽減にもつながるとのことだ。

 ラインアップと価格(以下、すべて税別)は、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート×10、SFPスロット×2の「SWX2310-10G」が7万3800円。1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート×16、SFP+スロット×2の「SWX2310-18GT」が12万5000円。1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート×24、SFP+スロット×4の「SWX2310-28GT」が17万5000円。1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート×48、SFP+スロット×4の「SWX2310-52GT」が25万5000円。

 なおSWX2310-28GTとSWX2310-52GTはスタック接続に対応し、冗長性の強化と容易なポート増設を可能にしている。

ライトL3スイッチの新ラインアップ、ダイナミックルーティングも対応

 一方のSWX3100-18Gは、2018年3月に発売されたライトL3スイッチ「SWX3100-10G」のポート数バリエーション追加となる製品。スタティックルーティング対応のライトL3スイッチ「SWX3100シリーズ」は、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート×8のSWX3100-10Gのみが提供されていたが、ユーザーからの要望に応えて、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×16ポートのモデルが追加された。

 またアップリンク用ポートも、従来のSFPからSFP+(2スロット)へ変更されており、10GbEに対応している。

SWX3100-18G

 さらに、デフォルトゲートウェイを冗長化するVRRPや、RIPによるダイナミックルーティングに対応。送信元IPアドレス・プロトコル・ポート番号など、設定したポリシーに従って細かい経路制御を行えるポリシーベースルーティング(PBR)にも2020年春の対応を予定しており、小規模ネットワークを利用する企業などに対し、止まらないネットワークと効率的なネットワークの運用を提供するとしている。

 価格は12万6000円(税別)。

さらなる機能追加を予定

 なおSWX3100シリーズ、SWX2310シリーズでは、今後のさらなる機能追加が予定されている。

 まず、スイッチ内部への認証(Radius)サーバー機能を搭載可能にする。従来のヤマハスイッチでは、外部に置かれた認証サーバーとの連携を前提にセキュリティ機能を提供してきたが、これにより、認証サーバーを持たない企業でも、ネットワークにアクセスするユーザーやデバイスを容易に管理できるようになるという。

 また、管理機能のLANマップLightでは、ヤマハネットワーク機器を最大64台まで管理できるが、この管理台数の拡張が予定されているとのことだ。

 このほかSWX3100シリーズでは、前述のようにPBRへの対応が予定されている。

 ファームウェア公開時期は2020年春(無償アップデート)が見込まれており、スタンダードL3スイッチ「SWX3200シリーズ」、インテリジェントL2 PoEスイッチ「SWX2310Pシリーズ」でも順次対応する計画だ。