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台湾アドバンテック社とIIJが協業、産業分野での業務効率化を実現するIoTプラットフォームを日本国内で提供

 台湾Advantech(以下、アドバンテック)と株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は21日、アドバンテックがグローバルに提供している産業分野向けIoTプラットフォーム「WISE-PaaS」の日本でのビジネス展開において協業すると発表した。

 協業のもと、両社はWISE-PaaSの日本リージョンを共同で立ち上げ、IIJのセキュアなネットワークおよびクラウドサービスを組み込んだ日本市場向けの新たなサービス「WISE-PaaS JP(仮称)」を開発し、アドバンテックが2020年1月に提供開始する。

 アドバンテックは、産業IoT(IIoT:インダストリアルIoT)に特化したプラットフォームのWISE-PaaSを、2016年からグローバルに展開を進めている。WISE-PaaSは、工作機械などの生産設備や製造ラインに設置された同社の産業用コンピューターやデバイスから、さまざまなデータをリアルタイムに収集し、設備やラインの状況を可視化することで、設備およびラインの稼働率把握や設備のリモート監視、予兆保全などを可能にするプラットフォーム。

 IIJは、フルMVNOの特性を活かした閉域モバイルネットワークや、顧客専有型クラウド環境への閉域接続など、IoT用途向けに高セキュリティなネットワークとクラウドサービスを提供している。

 アドバンテックとIIJでは、それぞれが強みをもつ技術とサービスを相互補完することで、アプリケーションから、ハードウェア、クラウド、ネットワーク、セキュリティまでをWISE-PaaS JPのサービスとしてワンストップで提供することで、日本市場でのIIoTビジネス拡大を目指すとしている。

 WISE-PaaS JPでは、データを集めるデバイス、エッジサーバからネットワーク、クラウド(PaaS/IaaS)まで、基盤となるシステムを包括的に提供するとともに、生産管理や設備監視、エネルギー管理システムなど特定業務に必要なアプリケーションをパッケージとしてラインナップする。利用企業は必要となるコンポーネントを選ぶだけで、容易にIIoTシステムを導入できる。

 データ収集のためのネットワークは閉域接続のモバイルサービスを利用するため、クローズドな通信環境でデータ転送や遠隔コントロールが可能で、工場や設備を外部の脅威から隔離したセキュアなシステムを構築できる。

 さらに、アドバンテックとIIJでは、物流、運輸、交通、エネルギーなどさまざまな業界に特化したSI企業をパートナーとして連携し、WISE-PaaS JPが提供する仕組みを活用した“ドメイン(領域)特化型ソリューション”の開発と展開を推進していくと説明。パートナーによるWISE-PaaS JPの導入、展開においては、アドバンテックと業務資本関係にある日本ラッド株式会社の協力のもとに進めていく。