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IDC Japan、国内でIoT事業を手掛ける企業の「データエコシステム」に対する取り組み状況の調査結果を発表

 IDC Japan株式会社は22日、国内でIoT事業を推進するベンダー/企業の、「データエコシステム」に対する取り組み状況の調査結果を発表した。

 同社では、全世界のIoT機器の普及台数が2025年に416億台に達し、IoT機器が年間に生成するIoTデータの総量も同年に79.4兆GBに達すると予測している。こうした高い成長が見込まれる市場に対し、現在では、さまざまなベンダーがIoT基盤を基軸としてソリューションの提供を開始しているが、IoTで共通的に使われる汎用機能の多くは、あらゆるIoT基盤上へ標準的に実装されつつあり、「IoTプラットフォームの機能」のみでソリューションの差別化を行うことは難しくなっているという。

 このためベンダーの多くは、新たな差別化要素を模索すべく、「用途/シナリオ特化型IoTソリューション」と「共創を支える人材/組織変革」の2つの領域において取り組みを強化しているとのこと。

 しかしIDC Japanでは、企業のIoTの活用が広がったとしても、そこで活用されるデータが企業の特定部門にサイロ化されていては、大きなビジネス価値を生み出すのは困難と指摘。IoTの生み出す価値を最大化する上では、企業内部のデータに対して企業外部のデータを可能な限り組み合わせて活用すべく「データエコシステム」を形成することが必須としている。

 なおIDCでは、企業がIoT基盤で収集するIoTデータや、基幹系システムに蓄積しているデータなど、企業内部におけるさまざまな1stパーティデータを、外部の2ndパーティ/3rdパーティデータと掛け合わせ、新たなビジネスモデル/収益モデルを創出すべく形成するステークホルダーの集合体を「データエコシステム」と定義しているとのことだ。

 また、こうしたデータエコシステムを構成する要素の中で、企業が外部データの活用を推進するためのソリューション/活動として「データ取引基盤」「データ流通推進活動」「Data as a Service」の3つが広がりつつあると指摘。

 これらのソリューションや活動が拡大する中、短期/中期的には、IoTデータをオンライン/オフラインマーケティングのデータとともに取引/流通することで、企業がCX(カスタマー・エクスペリエンス)を向上させる事例が急速に増加し、データエコシステム市場の成長をけん引すると予測している。