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日立、超高速データベースエンジン「Hitachi Advanced Data Binder」最新バージョンを提供開始

 株式会社日立製作所(以下、日立)は1日、超高速データベースエンジン「Hitachi Advanced Data Binder(HADB)」の最新バージョン05-00(以下、HADB V5)の提供を開始した。

 HADBでは、データ格納形式の拡充と合わせて、センサーのログや取引履歴など時系列データの集計や検索処理に適したカラムストア形式の参照処理の高速化などに取り組んでいる。カラムストア形式では、データベースのインデクスのチューニングが不要で、データの圧縮によるストレージアクセスの削減効果も期待でき、柔軟かつ迅速な分析が可能となる。

 新バージョンのHADB V5ではさらに、カラムストア形式でのデータベース更新処理における効率化を進めた。具体的には、データの追加や更新後に、性能維持のために必要だった追加・更新部分のデータ格納形式の変換を自動的に行う機能を追加したことで、データベースの運用負荷を軽減するとともに、集計処理の高速性を維持する。

 また、大規模データ同士を関連付けて分析する場合に利用されるデータ表の結合機能も強化。ユーザーが指定した結合の条件に該当しないデータの読み込みを自動的にスキップする機能の追加により、結合処理を高速化できる。これらの処理の高速化により、IoTデータなどの大規模データをさらに高速に分析可能とする。

 合わせて、ライセンス体系の変更により、増え続けるデータ量に対応するシステム拡張時のコストの抑制も実現する。

 HADBは2019年1月から、サーバーなどのハードウェアと一体化したプラットフォームとしての提供から、ソフトウェアでの提供へと変更し、柔軟なシステム構成を可能にしてきた。

 HADBは処理するデータ量の増大に対してプロセッサーを増強するスケールアップで性能を拡張できるが、今回のライセンス体系の変更により、プロセッサーを増やしても新たなライセンス費用は発生しないため、システム拡張時のコストを抑制できる。また、カラムストア形式では連続するデータをまとめて圧縮可能なため、ストレージ容量の増加を抑制できる。これらの改善により、導入時だけでなく将来の拡張にわたってシステムコストの抑制を実現する。

 製品の価格(税別)は、サーバーインストールライセンスが700万円、容量ライセンスはユーザーデータを格納するDBエリアに基づき、10TBあたり300万円、100TBあたり2000万円。