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Dell Technologies、クラウド戦略でVMwareとの連携を強調 両社製品を統合したソリューションを順次展開

 Dell Technologies(デル株式会社およびEMCジャパン株式会社)は28日、同社のクラウド事業に関する説明会を開催した。

 その中でDell Technologies(EMCジャパン)アドバンスドテクノロジーソリューションズ事業部 クラウドプラットフォームスペシャリストの吉田尚壮氏は、グループ会社であるVMwareのクラウド戦略との連携を強調した。

 VMwareでは、マルチクラウドのサイロ化を防ぎ、一貫性のあるインフラとオペレーションを提供、既存の環境とも連携してシームレスなハイブリッドクラウドの世界を実現しようとしている。吉田氏は、「Dell TechnologiesとしてVMwareのクラウド戦略を支持し、足並みをそろえてクラウドソリューションを展開していく」と述べた。

Dell Technologies アドバンスドテクノロジーソリューションズ事業部 クラウドプラットフォームスペシャリスト 吉田尚壮氏

Dell Technologies Cloudとは

 Dell Technologiesでは、VMwareおよび自社のテクノロジーをベースとして提供するハイブリッドクラウドソリューションを「Dell Technologies Cloud」と位置づけている。

 Dell Technologies Cloudは、「クラウドプラットフォーム」と「Data Center as a Service」の2分野で展開する。1点目のクラウドプラットフォームは、Dell Technologiesのサーバーやネットワーク、ストレージ製品を、VMwareのソフトウェアと統合して提供するものだ。

Dell Technologies Cloudとは

 クラウドプラットフォームは、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)、コンバージドインフラ(CI)、さらには「Ready Stack」(仮称)という形で提供するが、これらすべてにVMwareの「VMware Cloud Foudation」(VCF)が搭載される。

クラウドプラットフォームは3種類で提供する
VCFの価値

 同ソフトウェアの価値について吉田氏は、「SDDC Managerというインフラ管理ソフトウェアが、VMware関連製品を自動でインストールして設定し、ライフサイクル管理を行う。オンラインでソフトウェアを自動アップグレードすることも可能で、常に安全な環境が維持できる」と説明する。

 現時点ですでに提供を開始しているクラウドプラットフォームは、Dell TechnologiesのHCI「VxRail」をベースとしたもののみで、これにVCFをバンドルして販売している。「VxRailを1セット購入するだけで、複数の仮想環境が構築できる。これまでは構築だけでも手間がかかり、それぞれの環境を維持するには個別に対応する必要があったが、VxRailとVCFの組み合わせにより、共通の管理ツールで構成や展開が簡単にできるようになる」と吉田氏はアピールする。

 HCIだけでなく、将来的にはCIとの組み合わせでも同様のサービスを展開する予定だ。ただし、「時期については未定」と吉田氏は話す。

 もうひとつのクラウドプラットフォームReady Stackは、顧客がDell Technologiesのサーバーやストレージ、ネットワークを好みに合わせて個別調達した場合も、そのインフラ上でVCFが稼働するよう、同社が検証して提供するというものだ。現時点ではReady Stackという名称も仮称だが、近日中にも提供開始する予定だという。

 「HCIでも、CIでも、個別にサーバー、ストレージ、ネットワークを購入した場合でも、同じ価値を提供していきたい」と吉田氏は述べている。

 Dell Technologies Cloudのもうひとつの要素であるData Center as a Serviceは、マネージドサービスとしてクラウドインフラをオンプレミスデータセンターに提供するもの。VxRailおよびVCFをベースとしている点はクラウドプラットフォームと同じで、2社が協力して展開する。

 同サービスは「VMware Cloud on Dell EMC」という名称で、現在米国でアーリーアダプタープログラムにて限定的に提供を開始している。秋には北米にて正式にリリースされる予定だという。ヨーロッパおよびアジアでは、来年以降にサービスが展開される予定だ。

 顧客は、ウェブでVMware Cloud on Dell EMCを注文して設置するロケーションを指定するのみ。数週間後には指定先のロケーションにてクラウドインフラが設定される。これをData Center as a Serviceとして利用し、ウェブ上から管理する。

 「AWSやAzureなどのクラウドサービスとは異なり、顧客が指定したロケーションにてクラウドが使えるサービスだ。遠い場所に配備したとしても、管理やバージョンアップもDell TechnologiesおよびVMwareがリモートで担当する」と吉田氏は説明している。

VMware Cloud on Dell EMCについて