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IIJ、フルMVNOサービスで通信モジュール内にSIM機能を実装する「SoftSIM」を提供

WABCOジャパンの車両走行状況の遠隔監視サービスに採用

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は27日、法人向けフルMVNOサービスにおいて、通信モジュールにSIM機能を実装した「SoftSIM」を提供すると発表した。コスト削減や耐久性向上など、IoTに適したさまざまなメリットを実現できるという。なお同サービスは先行して、ワブコジャパン株式会社(以下、WABCOジャパン)による車両走行状況の遠隔監視サービスに採用された。

 SoftSIMは、通信モジュール内のセキュアな領域にある仮想マシンに通信用プロファイルを直接書き込み、提供するもの。物理的なSIMカードが不要になるため、SIMカードおよびソケットなど、付随する部品の製造/流通コスト、物理SIMの装着にかかるコストなどをできるという。

 また、必要な部品点数が減ることによって故障率が低減するほか、温度耐性や耐振動性、耐衝撃性を高め、物理的な破損や外的要因による通信障害などの低減も見込めるとのこと。さらに、SIMカードや開口部が不要になり、防水設計も容易になるほか、通信機器の小型化、SIMカードの盗難抑止にもつながるとした。

 内部に複数の通信用プロファイルを保持することも可能で、OTAによる書き換えにも対応する。IIJでは将来的に、日本国外を含む複数エリアの通信プロファイルをSIM機能内蔵通信モジュールに対して提供し、日本国外で利用する場合には、現地の通信事業者のネットワークに接続できるようにしていくという。

 価格は、回線単位ではなく、契約回線全体の利用トラフィックに応じて課金する料金プランを採用しているので、通信コストの平準化・最適化を実現できるとのこと。

 なおWABCOジャパンでは、車のブレーキの踏み方や荷物の積載情報といった情報を収集し、運行状況を見える化することで、輸送効率の最適化および輸送安全性の向上を実現するサービスを、日本で新たに提供する。このネットワークにIIJのフルMVNOサービスが採用された。

 そしてIIJでは、モジュールメーカーのQuectel Wireless Solutions、およびIoT向け通信関連プラットフォーム事業者のLinks Field Networksと連携して、SIMの通信用プロファイル情報を書き込んだ「SIM機能内蔵通信モジュール」を提供。WABCOジャパンは、この通信モジュールを搭載したセンサーをトレーラに取り付け、さまざまなデータを収集するとのことだ。

 またWABCOジャパンは、同社の出荷管理のシステムとIIJの回線管理システムとをAPIで連携させ、出荷のタイミングで回線開通処理を実行するなどのシステムにより、在庫期間の回線の基本費用を低減可能にしている。