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IIJ、フルMVNOとして法人向けモバイルデータ通信サービス「IIJモバイルサービス/タイプI」を提供開始

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は15日、フルMVNOとして新しいモバイルデータ通信サービス「IIJモバイルサービス/タイプI」の提供を開始した。

 フルMVNOとは、国際的な移動体通信の識別子であるMNC・IMSIを保有する独立した移動体通信事業者として、基地局などの無線アクセス設備を他の移動体通信事業者(MNO)から提供を受けて運営する仮想移動体通信事業者(MVNO)のことを指す。

 IIJでは、NTTドコモの3G/LTE網を利用する国内初のフルMVNOとして、通信におけるコアネットワーク設備の一部である加入者管理機能(HLR/HSS)を自社で保有・運用することにより、独自のSIMカードの発行・管理が可能となり、より柔軟なサービス設計が行えるようにした。

 IIJモバイルサービス/タイプIでは、SIMの状態を開通(アクティブ)と中断(サスペンド)に設定できる「SIMライフサイクル管理」を提供する。利用者や管理者は任意でアクティブに設定でき、アクティブ後にサスペンドに戻すことができる。これにより、SIMの月額通信費用について、アクティブにする前は無料、サスペンド時は費用を低減でき、さまざまなIoT製品の製造工程から出荷後にわたってSIMの状態を自由に制御できる。また、在庫期間中に不要・不正な利用ができないよう、回線を停止しておくこともできる。

 顧客自身が、SIMライフサイクル管理や情報取得、追加SIMのオーダーなどを自由に行える管理機能を、ウェブ管理画面やAPI連携により提供する。事業者は、エンドユーザーに商品を提供するタイミングでSIMをアクティブにすることで、出荷までのSIMの月額通信費用が不要になる上、SIMの在庫・運用管理も効率的に行える。

 料金プランについては、回線ごとにデータ通信量が設定されている「定額プラン」と、データ通信量を複数の契約回線で分け合って利用できる「パケットシェアプラン」を用意。回線ごとにIPアドレスのネットワークタイプ(NAT/動的グローバルIPv4/固定グローバルIPv4/閉域接続)を指定することができ、顧客端末からインターネット方向への上り通信のデータ通信量を制限しない「上り優先オプション」も用意する。

 定額プランの場合の料金(税別)は、初期費用が3000円、通信量の費用は10GBプランが月額3200円、15GBプランが月額3900円、20GBプランが月額4400円、30GBプランが月額6600円、50GBプランが1万500円。SIM基本費用は、アクティブ回線が月額200円、サスペンド(非アクティブ)回線が月額30円。ネットワークタイプ費用は、NATが無料、動的グローバルIPv4が月額200円、固定グローバルIPv4が月額800円、閉域接続が無料。上り優先オプションは月額2700円。最低利用期間は1カ月。

 IIJでは、新規でIIJモバイルサービスを契約の顧客を対象に、IIJモバイルサービス/タイプIの「無料トライアルキャンペーン」を実施する。実施期間は6月30日までで、先着1万回線まで。IIJモバイルサービス/タイプIの初期費用を無料、月額費用を最大3カ月無料にする。