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日本マイクロソフト、ブロックチェーンを活用した実験を交通分野で実施

企業の垣根を越えた社会インフラの創出目指す

 日本マイクロソフト株式会社は25日、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社JR東日本情報システム、みずほ情報総研株式会社との協力のもとで、ブロックチェーン技術を活用した社会インフラ基盤をテスト構築し、実験を行ったと発表した。この実験は、オープンデータやオープンAPIへの取り組みといった交通分野での新たな動きの中で、企業の垣根を越えた社会インフラの創出を目指したもので、1月21日から2月8日までの期間に実施されている。

 この取り組みにおいて日本マイクロソフトでは、短期集中型のトライアル開発の場である「Hackfest」を提供。各社と協力し、すべての人が検索~予約~支払を一度に行え、かつ移動にかかわる周辺サービスも利用可能なテスト基盤を構築した。

 この基盤では、「旅行者がいつ、どの交通機関を利用したか」などの個人データの改ざんと漏えいを防止するとともに、金融機関と接続して行う支払いの透明性を担保するため、ブロックチェーン技術を活用した。利用者の移動履歴はすべての参入事業者が検証可能な仕組みが提供されているものの、それらによって特定の個人の行動履歴が予測できてしまうことのないよう、ハッシュ化された状態で保存されているという。

 さらに、主要な運輸業者だけでなく、移動にかかわる周辺サービスの事業者にとっても参加が容易となるようなアーキテクチャの実装を行っている。具体的には、新規事業参入のために特殊な機材を購入したりアプリケーションを作成したりすることなく、コンソーシアム型のブロックチェーンネットワークに参加できるとのこと。また、チケットを読み取るためのアプリケーションはスマートフォンでも動作可能なため、初期の導入コストを低く抑えられるとした。

 なお社会インフラ基盤には、格納されているデータに対する高い信頼性とともに、スケーラビリティや柔軟なインテグレーション特性、高い管理性などが要求されるが、今回の検証では、4社の技術やノウハウ、サービスを集結して、1つのチームとして開発を行うことにより、これらの要求に応える基盤をMicrosoft Azure上にテスト構築し、その有用性を確認できたとしている。

 日本マイクロソフトでは、今回の検証結果を踏まえ、例えば、将来のMaaS(Mobility as a Service)における有効活用などを検討したい考えだ。