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NTT Com、Office 365のバックアップと移行を支援する新サービス
日本マイクロソフトと米SkyKickとの協業でSMBのクラウド化を推進
2019年4月19日 06:00
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は18日、統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」の追加メニューとして、Office 365のデータバックアップサービス「クラウドバックアップ」を、本日より提供開始すると発表した。同日には、新サービスをともに開発、販売推進する協業パートナーである日本マイクロソフトと米SkyKickとの共同発表会が行われ、新サービスの概要およびビジネス展開について説明した。
「クラウドバックアップ」は、Office 365の主要サービスのデータを自動で丸ごとバックアップし、万が一ファイルを消失した際には専用のポータルサイトから迅速に復元ができるサービス。また、新たにOffice 365の利用を始める顧客向けに、バックアップ機能に加え、メールデータの移行や導入サポートサービスをセットにした「移行サポートパック」も用意している。
NTT Com 取締役アプリケーション&コンテンツサービス部長の工藤潤一氏は、「今回、『クラウドバックアップ』の提供にあたって、米国でOffice 365のデータバックアップサービス提供で豊富な実績を持つSkyKickと協業を行った。SkyKickが提供するバックアップサービスと移行サポートをOffice 365にパッケージしたサービスは国内では初となる。これにより、中堅・中小企業が抱えるクラウド化における導入・移行やセキュリティへの不安を解消し、日本企業のクラウド化を加速していく。そして、同サービスを含めた多彩なソリューションによって、今後3年間で100万ID規模のビジネスを目指す」との考えを示した。
「クラウドバックアップ」の具体的なサービス内容としては、「Exchange Online」のメールデータや予定表、連絡先情報だけでなく、Office 365の主要サービスであるストレージサービス「SharePoint Online」および「OneDrive for Business」、統合コミュニケーションツール「Microsoft Teams」に保存しているファイルをすべてバックアップすることが可能。
重要なデータを契約期間内は無期限・容量無制限で保管することができ、アーカイブとしての利用はもとより、退職によるアカウント削除で消えてしまったデータの復元や、マルウェア感染やその他予期せぬ原因で消失したファイルの復元など、Office 365だけでは対処が難しいさまざまなケースで活用できる。
また、これからOffice 365を導入する顧客に対して、セキュアなメールデータ移行ツールによる「移行サポートパック」をセットしたプランを提供する。リモートで、メール移行要件のヒアリング、移行設計、専用移行ツール設定、移行状況のモニタリングなどのサポートを行うほか、移行先となるOffice 365の初期設定サポート、管理者および利用者向けのトレーニングなども行うという。
利用料金例(税別)は、Office 365各サービスのバックアップを行い、移行サポートを付ける場合は、初期費用が31万円から、月額料金が960円/ID。「Exchange Online」のみのバックアップを行い、移行サポートを付けない場合は、初期費用なし、月額料金が410円/IDとなる。
今後のビジネス展開について、NTT Com アプリケーション&コンテンツサービス部 アプリケーションサービス部門長の中野誠氏は、「今後は、移行・導入サポートのメニューをさらに拡充していく。現在は、メールデータ移行とOffice 365導入のみだが、メール以外のデータ移行や、Microsoft 365およびSharePoint・Power BIの導入・運用サポート、さらには復元作業代行など、マネージドサービスを提供することで付加価値向上を図る。また、2020年のWindows 7とOffice 2010のサポート終了を契機に、Office 365と『クラウドバックアップ』のセット販売を積極展開することで、日本企業のクラウド化および働き方改革を3社で推進していく」と説明した。
発表会に同席した、SkyKick 共同経営責任者のTodd Schwartz氏は、NTT Comとの協業に関して、「当社は、パートナー企業を重視し、その顧客がクラウドサービスをより使いやすく、よりセキュアに、より効率的に活用できるようにするプラットフォームを提供している。グローバルでは、2万社を超えるパートナー企業を持っているが、今回、日本市場ではNTT Comと協業し、『クラウドバックアップ』を通して中堅・中小企業のデジタルトランスフォーメーションを推進していけることをうれしく思う」と述べた。
また、SkyKick 共同経営責任者のEvan Richman氏は、「当社の大きな強みは、世界各国でクラウドへの移行に成功した中堅・中小企業の事例を持ち、そのノウハウと知見を蓄積していることだと考えている。とくに、当社が提供するクラウド移行サービスは、『カスタマーエクスペリエンス』、『ファースト&イージー』、『グレートバリュー』という3つの価値が顧客に評価されている。今回、NTT Comから提供される『クラウドバックアップ』も、日本の中堅・中小企業にとって非常にインパクトの大きいサービスになると確信している」とコメントした。
最後に登壇した、日本マイクロソフト 執行役員常務 パートナー事業本部長の高橋美波氏は、「2020年にWindows 7とOffice 2010のサポートが終了することにともない、企業では、Microsoft 365への移行によるクライアントデバイスの最新化が必要になってきている。一方で、今年1月時点のWindows 7の稼働台数は、法人市場で1600万台、コンシューマ市場で1100万台も残っているのが実状だ。こうした中で、今回、当社とNTT Com、SkyKickが3社協業で展開する『クラウドバックアップ』は、Office 365の丸ごとバックアップと移行サポートをパッケージサービスとして提供する。このサービスを通じて、中堅・中小企業のオフィス環境のクラウド化がさらに加速していくことを期待している」と、「クラウドバックアップ」への期待を語った。