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インテル、データセンター向け製品群7種を国内で一挙に発表

 インテル株式会社は9日、同社が標榜する“Data-Centric”ソリューションの新しい製品ポートフォリオとして、大きく7種の製品群を発表した。

 4月2日(米国時間)に米国サンフランシスコで開催された「Data-Centric Innovation Day」で発表された新製品群の、日本市場向けの正式発表という位置づけとなる。

【参考記事】

米Intel、新世代XeonやOPTANEなどデータセンター向け製品群を一挙に発表
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1178190.html

デジタルデータの活用本格化に向けた製品群を提供

 まず挨拶を行ったインテル 代表取締役社長の鈴木国正氏は、米Cisco Systemsが発表した「2022年までの各国データ通信量の増加予測(増加率)」というグラフを紹介。この予測では、トップ3がインド、中国、日本の順となっており、世界平均や米国を上回るとされている。

 この結果の解釈として同氏は、「日本は米国よりも遅れたが、これからデータの急増期に入っていく」との見解を示し、今回発表の“Data-Centric”という同社のビジョンを具体化する製品群が必要とされる状況が、まさにこれから日本に到来する、という意気込みを感じさせた。

インテル 代表取締役社長の鈴木国正氏

 続いて、米Intel 副社長兼データセンター事業本部 クラウド・プラットフォーム&テクノロジー事業部 事業部長のジェイソン L・グリーブ氏が、新製品の概要説明を行った。

 同氏が冒頭で示した現状認識も、基本的には鈴木社長と同様で、「全世界に存在するデジタルデータの50%以上が直近の2年間で生成されたもの」「ビジネス価値を生み出しているデータはわずか2%に過ぎない」といったデータを紹介し、デジタルデータの活用はこれから本格化するのだ、という想いをにじませた。

米Intel 副社長兼データセンター事業本部 クラウド・プラットフォーム&テクノロジー事業部 事業部長のジェイソン L・グリーブ氏

 同社では、「データ社会のインフラに注力」するとして、大きく3つの製品領域を設定している。「高速な移動(Move Faster)」「より多くを保存(Store More)」「あらゆるものを処理(Process Everything)」の3領域で、大きくは順に「ネットワーキング/インターコネクト」「メモリ/ストレージ」「プロセッサ」に対応する。

 さらに、半導体/ハードウェアのみではなく、「ソフトウェアとシステムレベルでの最適化」が打ち出されている点も、最近の同社のデータセンター向け製品群に関する取り組みの特徴となっている。

 今回の発表製品では、「高速な移動」の領域で「インテル Ethnert 800シリーズ」、「より多くを保存」の領域で「インテル Optane DC パーシステステント・メモリー」「デュアルポート インテル SSD データセンター」「インテル QLC 3D NAND SSD」の3製品、「あらゆるものを処理」の領域で「第2世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」「インテル Xeon D-1600 プロセッサー」「インテル Agilex FPGA」の3製品、計7製品が発表された。

本日発表製品の一覧。大きく7製品となっているが、細かく見ていくと膨大な数に上る

 とはいえ、あくまでも大きくまとめれば、という話であり、詳細を見れば、例えば「第2世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」は、“標準製品(SKU)”が50以上設定されるなど、膨大な数の新製品が一挙に発表された形だ。

 グリーブ氏はこの状況について、「Intelの歴史上、最大規模の新製品発表だ」と語り、今回の発表が同社としても異例の規模であることを強調した。

会場に展示された第2世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーのダイ

 “Data-Centric時代”に向けて製品ラインアップを一新し、ネットワーク、ストレージ、プロセッサの全領域で一気に新世代製品への移行を実現した形であり、この成果が今後どのようなシステムとなって市場に投入されるのかが楽しみである。

 なお、「第2世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」「インテル Xeon D-1600プロセッサー」「インテル Optane DC パーシステステント・メモリー」「インテル SSD D5-P4326」は同日提供開始。

 「インテル Ethernet 800シリーズ」は現在サンプル出荷中で、生産開始は2019年第3四半期の予定。「インテル Agilex FPGAファミリー」は2019年後半にサンプル出荷を開始する予定。

 「インテル Xeon Platinum 9200プロセッサー」搭載システムは、2019年上半期に出荷開始され、2019年下半期に出荷が本格化する見込み。「インテル Optane SSD DC D4800X」の出荷開始日は後日公開予定としている。

本日発表製品のサンプル。右上角のSSDと、その隣の「Intel Xeon Platinum 9200 Processor」(最上位機種)の大きさがほとんど同等だということに、あらためて驚かされる