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JSOL、人工知能を活用したSWIFT電文リアルタイムモニタリング共同利用サービスの実証実験
2019年2月22日 12:14
株式会社JSOLは22日、米Bottomline Technologies(以下、Bottomline)の協力の下、アンチマネーロンダリングや不正送金検知を目的として、人工知能を活用した金融機関間のSWIFT電文のリアルタイムモニタリングシステム「Secure Payment」を、共同利用型でサービス提供する実証実験を2月から開始したと発表した。
実証実験では、Bottomlineのシンガポールシステムセンターで稼働している「Secure Payment」とJSOLのシステムセンターを接続することで、Secure Paymentシステムを共同利用できる環境を構築し、動作を検証する。さらに7月からは、SWIFT接続のASPサービス「JSOL SWIFTサービスビューロ」を利用している複数の金融機関協力の下、SWIFT電文をSecure Paymentに連携し、リアルタイムで検知されることの確認を予定している。
JSOLでは、高度化、複雑化するコンプライアンス業務に対応するため、SWIFT電文のリアルタイムモニタリングの必要性が高まっているが、個別のシステム構築は高額だという課題があったと説明。これに対して、SWIFTサービスビューロという基盤を生かし、共同利用型でサービス提供することで、より安価なシステム導入を実現する。
リアルタイムモニタリングの製品として、海外で200以上の金融機関に採用実績のあるBottomlineが提供する「Secure Payment」を選定しており、日本国内では初めての取り組みになるという。
これにより、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」で対応を求められているアンチマネーロンダリングモニタリングシステムとして、不正取引をリアルタイムでブロックし、未然に防ぐことが可能となる。人工知能を活用したリアルタイムモニタリングシステムは国内では実例が少なく、先進的なアンチマネーロンダリング対策となるとしている。
また、リストを用いたアンチマネーロンダリングフィルタリングシステムでは看破できないような不正取引を検知にも対応。SWIFT電文にしかない情報(中継銀行など)をモニタリング可能で、SWIFTシステムのモニタリングを行うことで、すべての外為取引トランザクションをカバーすることが可能となる。通常とは異なる送金先、総金額など電文のモニタリングに加え、操作ユーザーの挙動もモニタリング可能で、外部からの不正アクセスによる送金や内部犯による不正送金の対策になるとしている。
JSOL SWIFTサービスビューロ参加ユーザー向け実証実験の参加費用は、1BICあたり100万(税別)。JSOLでは今後、2019年度下期をめどにサービスの有効性を評価し、JSOL SWIFTサービスビューロ利用の金融機関へのサービス提供開始を予定する。さらに、将来的にはJSOL SWIFTサービスビューロ利用金融機関以外の金融機関にも、同プラットフォームを介したサービス提供を目指すとしている。