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AIがOCR処理の確からしさを判定――、富士ゼロックスが帳票処理業務の自動化支援サービスを強化

 富士ゼロックス株式会社は28日、手書き帳票処理業務の自動化支援サービス「Smart Data Entry」を強化し、1月31日より提供開始すると発表した。文字認識結果の確からしさ(確信度)を利用した確認・訂正作業の効率化に対応している。

 Smart Data Entryは、手書き帳票のデータ入力から情報抽出、確認・訂正、データ出力までを一貫して行える手書き帳票処理サービス。記入済み帳票をAI OCRで電子化し、読み取り結果をドキュメントハンドリング・ソフトウェア「DocuWorks」で確認/訂正して、台帳データベースへ情報を登録・活用する、といった一連の流れをシームレスに実行できる点が特長という。

 今回の新版では、OCR処理後の認識結果に対して、その結果に対する“確信度”を付与する機能を新たに搭載した。確信度とは、読み取り精度とは別に、手書き文字の入力画像と認識結果との類似度の関係を、人間の視覚の仕組みを取り入れた文字認識技術を用いてルール化したもの。さらに、その確信度を独自の仕組みにより高・中・低の3種類に分類することで、複数人の作業の要否を制御するという。

 具体的には、確信度のレベルによって「入力作業が不要」「1人の入力作業が必要」「OCR結果にとらわれず2人の入力作業が必要」といった助言・警告を、AIが行ってくれる仕組みを備えた。これにより、すべてを人間が確認するのではなく、確認が必要なもののみ人手で作業すればよくなるため、全体の作業工数削減が期待できるとした。

 なお、こうした確信度の分類は、一定の運用を経過した後に利用可能になる。

 また今回は、中小規模の事業所でもサービスを導入しやすいように価格を改定。基本料金の値下げと同時に、月額/従量課金制のサービスとしてリニューアルされ、処理量に応じた料金負担でサービスを利用可能になった。一定処理量までは定額で、その後、従量課金となる。

 価格は、2ユーザー、月間500ページまでの基本サービスが月額4万9000円で、500ページ超過分が従量課金(処理量に応じて60円~40円/ページ)となる。ユーザー数は、オプション購入により最大20ユーザーまで利用可能だ。

 なおこうした価格改定により、月間2000ページ利用の場合は月額利用料を約65%低減したとしている。