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富士通、OCRとRPAでゆうちょ銀行の業務改善を支援 投資信託口座開設業務を効率化

 富士通株式会社は26日、株式会社ゆうちょ銀行が、投資信託の口座開設業務において、OCRおよびRPAによる業務自動化システムを開発したと発表した。

 ゆうちょ銀行では、日々、数百名分の投資信託の口座開設に対応しているが、口座開設申込書と顧客の口座情報を一元的にひも付けるために、行員はすでに開設済みの普通口座の情報や、そこから把握できる顧客の個人情報を目視で比較し、修正や再確認を経たのち、投資信託システムへ手入力していた。このように、同業務はその大半が人手による作業で占められていることから、ゆうちょ銀行はRPA適用の効果が高いと見込み、富士通と業務自動化のシステムを構築している。

 新システムでは、顧客から紙で届く口座開設申込書をスキャナーで読み取るだけで、富士通グループのPFUが提供しているOCRソフトウェア「DynaEye(ダイナアイ)」が、印字や行員が手書きした書類を高精度に認識。文字のつぶれや未記入部分などに対してのみエラーをあげるため、行員は該当部分のみ目視して確認するだけでよく、作業の効率化を図れるという。

 また、Kofax JapanのRPAパッケージ「Kapow(カパウ)」を活用し、OCRで読み取った情報と、普通口座の顧客情報を登録処理し、内容にミスがないかを突き合わせて確認するほか、確認後、投資信託システムへの入力や完了通知を行うところまでを一貫してRPAで実施することにより、正確性の向上や大幅な時間短縮を実現したとのこと。

 同行では新システムの運用を2018年9月より開始しているが、こうした自動化処理により、行員が人手で行っていた従来と比べて業務時間を3分の1に短縮できることを確認したとしている。