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沖縄セルラー、KDDI、クラボウの3社、IoTを活用した沖縄県の熱中症対策に向けた取り組みを開始

 沖縄セルラー電話株式会社(以下、沖縄セルラー)、KDDI株式会社、倉敷紡績株式会社(以下、クラボウ)の3社は28日、クラボウが開発したIoTスマートウェア「Smartfit(スマートフィット)」を活用し、沖縄県独自の環境にあわせた熱中症リスク低減のための解析アルゴリズムを開発する実証事業を開始すると発表した。

 実証事業は、沖縄県は全国平均より気温や湿度が高く、本土と気象条件が異なる独自の「暑熱環境」が存在する地域であるという背景を受け、沖縄県のIoT実証事業補助(申請中)を活用し、独自のアルゴリズムを開発することで、より沖縄県の環境に適した独自の熱中症リスク管理に役立つシステムを構築する。

 これまで、建設業や運送業などにおいて、職種や作業環境が異なる作業員の熱中症リスクを適切に把握することは困難とされてきたが、クラボウではIoTスマートウェアのSmartfitから作業員のバイタルデータを収集・解析を行い、個々の作業員の環境や作業内容などを踏まえた暑熱作業リスクを容易に評価できるシステムを開発し、2018年5月から「Smartfit for work」としてサービスを提供してる。

 Smartfitを着用した建設作業員のバイタルデータと、沖縄県の気象データなどをクラウドサーバーに蓄積することで、作業員ごとの暑熱環境下での作業リスクをリアルタイムに評価することを可能にする。評価結果は、現場管理者および現場作業員にリスク情報として通知し、早期の熱中症予防に役立てていく。また、それらの熱中症予防に役立つ知見を沖縄県と共有し、県内の熱中症対策に活用していく。

取り組みのイメージ

 実証事業では、株式会社大米建設とサンワコムシスエンジニアリング株式会社が担当するKDDI那覇ビル解体工事、au基地局工事の現場作業員に、Smartfitを5カ月間着用して作業してもらい、心拍、温度、加速度などのデータを沖縄独自のアルゴリズムの基礎データとして収集する。一般財団法人日本気象協会の提供する気象データと合わせて、国立大学法人大阪大学がデータを分析し、アルゴリズムを開発をすることで、熱中症リスク管理支援システムを構築する。

 沖縄セルラー、KDDI、クラボウは取り組みを通して、沖縄県独自の解析アルゴリズムおよびリスク管理システムを構築し、県の熱中症予防およびIoTを活用した健康管理・維持・向上を行い、県内建設工事作業員の安全性、作業効率向上に貢献していくとしている。