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S&IとFA、Watsonを活用したコンタクトセンター向け通話内容書き起こしサービスを提供

 エス・アンド・アイ株式会社(以下、S&I)と株式会社フィナンシャル・エージェンシー(以下、FA)は25日、IBM Watsonを活用したコンタクトセンター向け通話内容書き起こしサービス「AI Speech Transcription Service(仮)」を、10月より提供開始すると発表した。

 AI Speech Transcription Serviceは、Watsonのサービスの1つである「Watson Speech to Text」を活用し、音声データを自動でテキスト化するサービス。自然言語処理を得意とし、法人AI市場でもっとも活用が進むWatsonをテキスト化のエンジンに採用していることから、顧客とエージェントの会話から言葉の意図を正しく理解し、高い精度でのテキスト化を実現するという。

 特徴は、金融業界、特に保険業務のコンタクトセンターサービスを多く請け負うFAの経験を基に設計されている点で、禁則ワードなど特定の文言での検索や、応対内容をチャット形式で表示して会話の流れを可視化し、顧客と担当エージェントのどちらが発言したのかを一目で分かるようにするなど、コンタクトセンター業務における使いやすさに配慮しているとのこと。

 なお、認識精度向上の要となる学習データの作成は、S&Iの専門チーム「CORPUS factory」が支援し、顧客の業務内容に応じて最適な学習データ作成を行えるようにする。

 その1つとして、FAでは、コンタクトセンター事業で培ったノウハウと、実際に社内で利用されているデータを基に、CORPUS factoryが作成支援した「インバウンド/アウトバウンド業務の学習データセット」を提供する予定。特に保険業務で利用する場合は、FAが持つ保険業界に特化したFAQなども盛り込まれた学習データセットの提供を計画しており、利用開始とともに、一定の認識精度での書き起こしが実現できるとしている。

 また、FAが自社コールセンターなどでの運用を通じて得た新たなノウハウを基に、FAとS&Iが学習データセットの精度向上を継続的に行うとのこと。

 FAでは、自社が持つ国内8カ所のコンタクトセンターなどで利用することで、品質管理業務に充てる時間を年間1万5360時間短縮できると見込んでいる。