ニュース
NTTデータ、生産性向上に向けボイスインターフェイスを利用した実証実験を開始
2018年7月24日 16:40
株式会社NTTデータは24日、株式会社ブロードリンクの倉庫内作業におけるボイスアシスタント活用に向け、実証実験を開始したと発表した。
この実証実験では、ブロードリンクの情報機器倉庫に、Amazon Web Services(AWS)のボイスアシスタントサービス「Alexa for Business」と大型ディスプレイを設置。これらを倉庫内の各種作業の進ちょく管理システムである「Salesforce Service Cloud」と連動さたた「KIZUKIマネジメントシステム」の有効性検証を実施する。
ブロードリンクでは、情報機器の買い取り・回収・データ消去から、リペア、レンタル・再販売までを一貫して行っており、こうした事業を円滑に進めるためには、営業や作業現場などの部門間で緊密な連携が欠かせないという。そのためのプラットフォームとして、同社はService Cloudを導入し、顧客からの依頼受け付けや、現場社員のディスパッチ、作業状況の監視・報告などを管理してきた。
しかし、倉庫内で作業を行う現場社員はPCなどの情報端末を持たないためService Cloudを利用できず、現場社員と営業担当者がリアルタイムに情報連携を行えていなかったという。また現場社員は、Service Cloudへの登録負荷が高いと感じていたので、業務改善に向けた作業員の“気づき”収集は困難だったとのこと。
そこで同社は、現場社員が情報端末を利用することなく、作業をしながらでも情報連携できるボイスアシストの活用を検討していた。
一方のNTTデータは、Service Cloudのコミュニケーション基盤としての活用を進めるため、ボイスインターフェイスとしてAlexa for Businessの技術検証を行っており、実現化に向けて検討を進めていた。
今回は、こうした背景を持つ両社が協業。新しいコミュニケーションの仕組みを導入することによる生産性向上の検証を目的として、実証実験を開始した。
そのため、ブロードリンクの倉庫において、顧客から回収した情報機器の入荷、データ消去、梱包といった作業ごとに大型ディスプレイとAlexa for Businessを用意。KIZUKIマネジメントシステムの有効性を検証する。
具体的には、倉庫内作業の「一日の目標件数」「現在の進ちょく件数」「他ライン状況の共有」を表示し、進ちょく状況の確認および優先順位を考慮したリソース最適化が行えるようにする。
また、Service Cloudで管理している案件情報の表示や、現場社員の問い合わせに対する回答情報を通知・表示し、必要なタイミングで必要な情報を確認できるよう支援するとした。
従来は、現場社員と営業担当者の間は、現場マネージャーが仲介役となって情報伝達していたが、これをシステムで代替することにより、コミュニケーションの伝達スピードを向上させ、生産性が改善することを期待するとした。
さらに、業務改善に向けた現場社員の“気づき”を音声でService Cloudに登録できるようにすることで、現場に負担をかけることなく、問題・課題を把握できるようにするとのこと。
NTTデータは今後、Service CloudおよびAlexa for Business、あるいはAmazon Connectなどをコミュニケーション基盤として、ボイスファーストのユーザーエクスペリエンス向上を目指す考え。あわせて、多様化するチャネルへの対応、および顧客満足度・従業員満足度のさらなる向上、コスト削減、売上増への貢献も視野に入れて取り組みを進めるとしている。