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ファーストサーバの「Zenlogicホスティング」で大規模障害が発生中

 ファーストサーバの提供しているクラウド型レンタルサーバー「Zenlogicホスティング」において、大規模な障害が発生している。7月9日13時現在、すべてのサービスを停止してメンテナンスが行われているものの、再開のめどは立っていない。

【7/10 12:15追記】

  • ファーストサーバーでは7月9日22時20分現在、サービス提供を再開していることを告知。さらに7月10日11時現在、予定していたメンテナンス作業が完了していることを告知している。続報はこちら

 Zenlogicホスティングは、ヤフーのIaaS基盤を利用して提供されているクラウド型のレンタルサーバー。ファーストサーバでは、2015年2月の同サービス提供開始後、長年提供してきたレンタルサーバーサービスからのユーザー移行を進めていたが、2018年2月には、約2万社が利用していたレンタルサーバーをすべてZenlogicホスティングへ移行完了したとアナウンスしていた。

 このZenlogicホスティングが6月19日より高負荷障害に見舞われており、これを解消するため、7月6日20時よりすべてのサービスを停止し、メンテナンスを実施していた。しかしサービス再開処理後、再度の高負荷発生が確認されたことを受け、当初は最長で7月9日8時までとしていたメンテナンス時間が延長されている。

 メンテナンス中は、メールの送受信、ホームページの閲覧、サーバーへのファイル転送が行えない。

 ファーストサーバによれば、障害原因は、冗長構成しているストレージシステム(データ記憶システム)で、データ入出力の処理が一部のシステムに偏り、高負荷状態が発生したこと。これを解消するために該当ストレージシステムが再起動し、サービスが断続的に利用できなくなったという。

 また、このようにデータ入出力の処理が一部のストレージシステムに偏ってしまった原因としては、「突発的なアクセス集中が発生した際のパフォーマンス不足」「ストレージシステム構築時のパラメーター設定が適切でない」ことを挙げた。

 現在、サーバー設定画面の「コントロールパネル」は利用再開されており、障害解消まで他環境の利用を検討するユーザーは、サーバー移設関連のFAQを参考に対応するよう案内している。

 なお、各種問い合わせ窓口が混雑し、つながりにくい状態が発生していることを受け、サポートセンターの電話番号が変更された

 ファーストサーバでは現在も原因・対応方法の調査を継続する一方、基盤提供元のヤフーとともに、別基盤の構築準備作業を実施しているとのこと。こちらについても、めどが付き次第、サポートサイトで随時報告するとしている。

 また、AWS基盤を利用する新サービス「Zenlogicホスティング Powered by AWS」は、今回の障害の対象外である。