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ウォッチガード、製品ポートフォリオ拡大に向けたグローバル戦略を説明
日本市場ではパートナーとの連携強化に注力
2018年6月28日 06:00
ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン株式会社(以下、ウォッチガード)は27日、グローバルでの最新の製品戦略に関する記者説明会を開催した。あわせて、6月16日付で日本法人の新社長に就任した谷口忠彦氏が登壇し、国内市場でのビジネス拡大に向けて所信表明を行った。
ウォッチガードでは、ここ数年で革新的なセキュリティソリューションを次々と発表し、グローバルはもとよりアジア太平洋および日本地域で急成長を続けているという。
説明会の冒頭で挨拶した米WatchGuard Technologies(以下、WatchGuard) アジア太平洋 日本地域担当バイスプレジデントのシルヴァン・ルジュン氏は、その背景について、「日本法人には、非常に情熱に満ちた“ウォッチガーディアン”と呼ばれる優秀なスタッフが集結している。そして、多くのロイヤルパートナーの協力のもと、日本におけるビジネス拡大を推進してきた。さらに、当社では“イノベーション@スピード”を掲げ、サイバー脅威が進化する中で、四半期ごとに先進機能を備えたセキュリティ製品をリリースし続けてきた。これらの取り組みが、日本市場での急成長を支えている」と述べた。
続いて、6月16日付で日本法人の代表執行役員社長に就任した谷口忠彦氏があいさつに立ち、「私は、2001年にウォッチガードに日本人初の営業社員として採用され、3年ほど日本法人の立ち上げを手掛けた経緯がある。その後、フォーティネットなど、競合の海外セキュリティベンダーの立ち上げに携わってきたが、今回、再びウォッチガードに戻り、日本市場でのさらなるビジネス拡大に注力していく。新社長としての具体的な事業戦略は現在策定中だが、まずは、パートナーとの連携強化を図る。パートナープログラム『WatchGuardONE』を拡充するとともに、競合ベンダーに負けないサポート体制を整備していく」との方針を示した。
グローバルでの製品戦略のアップデートについては、WatchGuard プロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデントのアンドリュー・ヤング氏が説明した。「当社は、エンタープライズグレードのセキュリティを、中小規模の企業や組織、また大規模企業の分散化された組織に向けて提供していくことをミッションとしている。その中で、クラウドベースのサンドボックスをはじめ、ネットワークとエンドポイントの相関性、脅威インテリジェンス、オフネットワークプロテクション、クレデンシャルセキュリティなど、先進的なセキュリティソリューションをいち早くリリースしてきた。今後の製品ポートフォリオの拡大に向けては、社内の研究・開発への投資を継続する一方で、M&Aによる製品買収も進めていく」とした。
具体的には、自社で研究・開発を行っている主なソリューションとして、「Firebox Cloud&Virtual Firebox」、「Fireware Advancements」、「WatchGuard Cloud」、「Access Portal」などがあるという。また、この1年半に買収した新たなソリューションとしては、エンドポイントセキュリティの「HawkEye G」、多要素認証サービスの「datablink」、DNSセキュリティソリューションの「Percipient Networks」を挙げた。
これらを踏まえ、今年の製品戦略の方向性について、ヤング氏は、「Security as a Service」、「Intelligence to the Core」、「Security Beyond the Perimeter」の3つのテーマに基づいて製品ポートフォリオを拡大していくと説明した。
「Security as a Service」では、サービスプロバイダやエンドユーザーがセキュリティの能力を最大活用できるようクラウドからアクセスできるソリューションを提供する。「Intelligence to the Core」では、AIやマシンラーニングの能力を、コアとなる「Firebox」のシステムに提供する。「Security Beyond the Perimeter」では、境界を越えたセキュリティとして、ファイアウォールの外にいるユーザーも保護できるソリューションを提供するという。
この製品戦略の最新の展開として、「約1か月前に、多要素認証サービスのパブリックベータを提供開始しており、近々、パートナーやカスタマー向けに正式にリリースする予定だ。多要素認証は、中小規模企業からのニーズが高まっている一方で、導入へのハードルが高く、実際に利用できている企業は少ないのが現状となっている。当社の多要素認証サービスは、クラウドベースで提供されるため、中小規模企業でも容易に導入・活用することができる。これは、当社にとって大きなビジネスチャンスになると考えている」(ヤング氏)と、中小規模企業向けの多要素認証サービスを近日中にリリースする計画を明かした。