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デンソーウェーブとNECソリューションイノベータ、セキュアなQRコードを用いた顔認証ソリューションを提供

 株式会社デンソーウェーブとNECソリューションイノベータ株式会社は14日、セキュリティ性が高いQRコード「SQRC」に顔の特徴データを格納し、顔認証による本人確認を行う「顔認証なりすまし防止ソリューション(SQRC版)」(以下、SQRC版)を製品化したと発表した。7月より、両社で販売を開始する。

 デンソーウェーブとNECソリューションイノベータでは2014年より、QRコードと顔認証技術の連携を開始しており、2017年11月から3カ月間、金融機関で実証実験をするなど、「顔認証なりすまし防止ソリューション」の開発を進めてきた。今回は、この実験などから得られたノウハウをもとに、SQRCを用いた、より付加価値の高い「SQRC版」を製品化したという。

 「顔認証なりすまし防止ソリューション」では、事前に顔の特徴データをQRコードに格納しておき、QRコード読み込みと顔撮影による顔照合により本人確認を実施する。この仕組みにより、ネットワーク環境の整っていないオフライン環境でも顔認証が可能になるほか、個人情報を端末内に保持しないため、セキュリティリスクも軽減されるとのこと。

 「SQRC版」では、データの読み取り制限機能を持つSQRCを利用することで、さらに安全性を高めている。SQRCは、ひとつのデータに公開と非公開の2種類のデータを格納できるほか、特定スキャナーだけが非公開部の読み取りを行える特徴を持つ。これを利用し、URLなどの一般情報を公開部分へ、顔の特徴データや社員番号などの機密情報を非公開部分に格納することで、機密情報を秘匿化できるとした。

 なお、SQRCに対応したデンソーウェーブ製のハンディーターミナル「BHTシリーズ」は、QRコードとSQRCの双方を読み取れるので、入出庫、検品、棚卸し、点検などの業務と、顔認証による本人確認を1台の端末で行えるとしている。

 今後は、このソリューションの一部をクラウド上でも利用できるようにするなど、ユーザーの利用用途に合わせた強化を行い、「SQRC版」を導入しやすい環境を提供するとのことだ。

 両社では、金融窓口やATM操作時の本人確認、作業者の資格保有確認、店舗スタッフの本人確認、受験・受講時の本人確認など、金融/製造/リテール/教育などの分野で、新しい活用シーンを開拓するとしており、両社合計で、今後3年間に10億円の売上を目指している。