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日本オラクル、AIベースの新たな機能追加など「Oracle HCM Cloud」のロードマップを説明

採用業務など人事の生産性を向上

 日本オラクル株式会社は25日、HR(Human Resource) Techに関する説明会を開催し、人事業務関連のSaaSである「Oracle HCM(Human Capital Management) Cloud」の今後のロードマップについて説明した。人事担当者を今まで以上に支援し、従業員の仕事環境をさらに向上させる目的で、AIベースの新たな機能追加とユーザーエクスペリエンス向上などが行われるという。

 日本オラクル 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部 本部長の原智宏氏は、米国ダラスで3月20日~22日(米国時間)に開催されたOracle HCM Worldでの発表をベースに、2018年の人事トレンドとして「生産性への再注目」「社員に力を(Power to the people)」「定型業務の終焉」「リアルタイム学習」の4つを挙げた。

 これらのトレンドの中でも、特にオラクルが大きく貢献できるのは前者の2つであり、各種ツールなど社員の力の基となるテクノロジーによって企業の生産性向上に貢献していくと説明した。

日本オラクル 執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部 本部長の原智宏氏
2018年の人事トレンドは、「生産性への再注目」「社員に力を」「定型業務の終焉」「リアルタイム学習」の4つ

 また、HCM関連のテクノロジートレンドは、「AI」「インテリジェントなアプリケーションとアナリティクス」「対話型プラットフォーム」であるという。AI対応機能「Oracle Adaptive Intelligent(AI) Apps」を利用したサービスを順次追加していくことで、企業における人事業務の効率化・高度化を支援する。

HCM関連のテクノロジートレンドは、「AI」「インテリジェントなアプリケーションとアナリティクス」「対話型プラットフォーム」

 本説明会では、AIをベースとした採用業務に関連する機能がデモで紹介された。

 求職者が最初に見る採用ページでは、ページを閲覧している求職者の興味や関心の対象をAIが予測し、動的に表示するコンテンツを変えることで応募者数を増やすという。このようにユーザーの志向に沿ったコンテンツ配信は、eコマースの世界ではすでに当たり前の技術となっているが、採用業務での適用も効果的であるとのこと。

 さらに、求職者の質問にFacebook Messengerなどのチャネルを通じて回答するチャットボットにより、求職者の疑問に直接回答できる仕組みも提供される。

チャットボット(このデモでは「John」)が求職者からの質問に直接回答

 次に、採用担当者が利用するダッシュボード画面からは、どの求人に対してどのくらいの応募者がいるかといった情報に加えて、該当するポストに適切な候補者は誰か、あるいは社内に適切な従業員がいないかなどの情報を提供できる。

 また、候補者がオファーを受諾して入社してくれる確率を予測し、給与などの待遇を見直すことで入社確率を上げるといった機能も提供する。

採用担当者の画面では、AIが判断した適切な候補者や入社確率などを確認可能

 日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション本部 HCMソリューション部 部長の津留崎厚徳氏は、「Oracle HCM Cloudは、包括的な人事業務プロセスをサポートするクラウド・アプリケーション。業務プロセスの各所にAIを組み込んでいるため、お客さまがAIの設計をする必要はない」と説明。

 また、これらのAIベースの機能は、AIの学習データに自社が保有するファーストパーティデータだけではなく、サードパーティが提供するデータも活用することで精度を高めているとのこと。繰り返し利用していくことでさらにデータが蓄積され、予測精度は向上していくという。

日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション本部 HCMソリューション部 部長 津留崎厚徳氏

 Oracle HCM Cloudは今後もさまざまな機能が提供されていく予定であるが、現段階では「スキルギャップと離職リスクの予測」「将来のパフォーマンス、退職リスクの予測」「従業員に最適な職種やメンターの推奨」「キャリアパスと現状のスキルレベルを加味して最適な研修の推奨」の機能などを予定している。

 それぞれの提供時期などは明らかにされていないが、デモで紹介された採用業務関連の機能は、早ければ2018年の10月ごろに提供開始であるという。

Oracle HCM Cloudのロードマップ