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PwCあらた、AIを活用した会計仕訳検証システムの試験運用を開始

 PwCあらた有限責任監査法人は16日、AIが会計データから異常仕訳を自動的に抽出する「AI会計仕訳検証システム」を開発し、4月から試験運用を開始したと発表した。

 PwCあらたでは、2016年10月に設置したAI監査研究所を中心に、監査品質の向上、業務の効率化に向けた調査研究に取り組んでおり、今回のシステムの開発はその成果の一つとなる。

 AI会計仕訳検証システムは、PwCのデータ監査ツール「Halo for Journals」の仕訳データ全件を対象に、機械学習によって一定の法則性を読み取り、個々の仕訳がそれに合致するかを評価することによって、異常な仕訳を抽出する。監査チームがこのシステムを利用することで、膨大なデータを網羅的かつ効率的に分析し、誤謬や不正の可能性を重点的に調べるだけでなく、人間が想定しなかったリスクや課題も浮かび上がらせることを目指す。

 今後は、システムにHalo for Journalsのより多くのデータを学習させることで異常検知の精度向上を図り、監査業務への本格導入や、仕訳データの検証以外の分野へのAI活用も検討を進める。

 PwCでは、最先端のテクノロジーを監査に取り込むための投資を積極的に行っており、Halo for Journalsはその中核をなす監査ツールとして、仕訳データの全量をコンピュータに取り込み、高いリスクを伴う取引を抽出し、有限のリソースを重点的に配分することで監査品質の向上に努めていると説明。今回開発したAI会計仕訳検証システムを併用することで、さらなる品質向上と業務効率化の実現を目指すとしている。