ニュース

ボードゲームで金融業界特有のインシデント対応を学習、トレンドマイクロが無償提供

汎用の「インシデント対応ボードゲーム」もリニューアル

 トレンドマイクロ株式会社は22日、ボードゲーム形式でセキュリティインシデント対応の訓練を行う教材「インシデント対応ボードゲーム」において、金融業界向けの「インシデント対応ボードゲーム 金融版」(以下、金融版)を無償提供すると発表した。付属のルールブックを含め、同社のWebサイトからダウンロードできる。

 トレンドマイクロでは2016年から、「インシデント対応ボードゲーム」の無償提供を行っており、インシデント対応の模擬体験を通して、企業がセキュリティ対策やインシデント対応における課題を洗い出し、組織体制の整備・強化を行うことを支援してきた。

 今回は同ゲームの拡張版として、公益財団法人 金融情報システムセンター(FISC)が発行する「金融機関等におけるコンティンジェンシープラン(災害時の緊急時対応計画)策定のための手引書」を参考に、金融業界特有の環境やリスクを想定したインシデント対応を模擬体験できる「金融版」を作成している。

 ゲームは1チーム4~7名でプレイし、1ラウンドが40分(全2ラウンド)。架空の組織を舞台に、プレイ時間の中、ゲーム内で発生するセキュリティインシデントに対して、プレイヤーはそれぞれの立場・視点で議論しながら、インシデント対応の方針を決定していく。実際のセキュリティ事故が起きた場合の訓練として活用できるだけでなく、ゲームを通じて、具体化される自組織のセキュリティ課題などに気付けるのが特徴とした。

 なお「金融版」はすでに、都市銀行、信用金庫など約100組織で先行実施が進んでおり、CSIRTでの活用や、年次の自組織の定期的なイベントとしての活用が始まっているとのこと。またトレンドマイクロでは、金融機関においてインシデント対応に携わるメンバーを対象に、「金融版」を実際に体験し、インシデント対応の手順やポイントなどが学べる金融業界向けワークショップを、4月から開催する予定。

 あわせて今回、業種を限定しない汎用の「インシデント対応ボードゲーム」も、「インシデント対応ボードゲーム スタンダード版」としてリニューアルした。引き続き同社のサイトで公開されており、無償で利用できる。