ニュース

2017年の国内外付型エンタープライズストレージ市場は前年比5.5%減の1729億8000万円、オールフラッシュへの移行が進む~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は13日、2017年第4四半期(10月~12月)および2017年通年の国内エンタープライズストレージシステム市場(外付型、サーバー内蔵型、ODM Directを含む)の支出額実績を発表した。2017年第4四半期の国内エンタープライズストレージシステム支出額は前年同期比0.7%増の427億8000万円、2017年通年では前年比5.5%減の1729億8000万円でとなった。

 市場のうち、外付型エンタープライズストレージシステムの支出額については、2017年第4四半期のセグメント別内訳は、メインフレーム向けが42億5900万円(前年同期比11.1%減)、オープンシステム向けが385億2200万円(同2.2%増)となった。メインフレーム向けは5四半期連続のマイナス成長で、オープンシステム向けはハイエンドが支出額を牽引した。

国内エンタープライズストレージシステム市場 支出額推移、2011年~2017年(出典:IDC Japan)

 同じく、外付型エンタープライズストレージシステム支出額の2017年通年でのセグメント別内訳は、メインフレーム向けが218億2700万円(前年比10.4%減)、オープンシステム向けが1511億5300万円(同4.7%減)となった。メインフレーム向けでは、新規需要を取り込めず、容量や性能への要求も高まらないことから、支出額が前年に続きマイナス成長となったと指摘。また、オープンシステム向けは、通年ではハイエンドが大幅なプラス成長だったものの、ミッドレンジ、ローエンドがいずれも2桁%のマイナス成長になったことが影響したとしている。

 2017年の国内外付型エンタープライズストレージシステムでは、前年に続きHDDからフラッシュへと搭載メディアの移行が進んだと分析。2017年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額の中で、オールフラッシュアレイ(AFA)は318億3800万円で前年比88.9%増と拡大する一方、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は553億3700万円で同11.6%減、オールHDDアレイは858億500万円で同17.2%減となった。

 この結果、2017年の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額に占めるAFAの割合は18.4%と前年の倍となり、AFAの汎用ストレージによるビジネスが本格的に立ち上がった結果、ミッションクリティカルな基幹系での採用に加えて、待機系での採用も始まっているとしている。

 2017年通年での国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額は1645億8600万円で、ベンダー別売上額のシェア上位5社は、日立製作所(19.3%)、富士通(17.4%)、Dell(11.1%)、IBM(10.6%)、NetApp(8.8%)となった。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの加藤慎也氏は、「オールフラッシュアレイは前年を上回る成長率となり、金融機関の基幹系へも採用されるようになった。一方、その国内支出額は未だ全体の2割に達しておらず、ユーザーが初期導入コストの上昇を懸念して導入が進まない領域もある。ストレージベンダーは、ユーザーニーズの細分化に対応した多様な支出モデルでの展開やデータマネジメントに取り組むことで、ユーザーのデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献し得る新たなテクノロジーの採用検討を適切に促し、シェアを獲得していくべきである」と分析している。