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SAPジャパン、サポートドキュメントの自動翻訳機能を提供開始

 SAPジャパン株式会社は1日、SAP製品に関するサポートドキュメントの機械翻訳セルフサービスを提供開始した。

 SAPでは、「SAPサポートナレッジベース」として、製品の技術的な問題を解決するためのSAP Notesやサポート技術情報を継続的にリリースしている。

 今回のサービスにより、英語で提供される「SAPサポートナレッジベース」のサポートドキュメントを、ワンクリックで即座に日本語訳表示できるようになった。SAP独自のニューラル機械翻訳技術を活用しているため、特にSAPアプリケーションに固有の用語に関しては、一般的な機械翻訳に比べて非常に高い精度で翻訳されるという。

 これまでは、英語で提供されたドキュメントを、ユーザーやSAPのサポートチームからの依頼に基づいて翻訳者が日本語に翻訳して提供していた。しかし、1つのドキュメントに関して関連文書が数十や数百あるケースもあり、日本語訳が提供されるのは必要性が高いと判断されるドキュメントに限られ、ドキュメントの分量によって2~5日の翻訳期間を要していた。

 SAPジャパンでは、今回のサービスにより、システム関連の大量の技術文書を日本語で調査・参照可能となるため、ユーザーのシステムメンテナンス作業が軽減されると説明。また、より正確性が要求されるドキュメントなどは、従来の翻訳者によるサービスも並行して引き続き提供する。

 SAPでは、全世界でユーザー参加型のグローバル開発プロジェクト「CEI:Customer Engagement Initiative」を展開しており、今回のサービスはこのプロジェクトの一環として開発された。機械翻訳のニーズは他国でもあったが、特に機械翻訳が難しいとされる日本語のサービスが第一号となった。

 サービスの開発は、SAPとSAPジャパンのユーザーグループであるJSUG(ジャパンSAPユーザーグループ)が一体となって進められ、試験運用期間を経て今回、本格的に提供開始された。また、今回の日本語でのサービスを皮切りに、今後はポルトガル語やスペイン語などの多言語展開も予定する。