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富士通、リクルートコミュニケーションズとアニーリング技術を活用したマーケティングテクノロジーの共同研究を開始
2018年1月29日 14:05
富士通株式会社は29日、株式会社リクルートコミュニケーションズと、アニーリング技術を活用したマーケティングテクノロジーの開発を目的とした共同研究を1月より開始すると発表した。
リクルートコミュニケーションズは、リクルートグループが提供するさまざまなサービスにおいて、デジタルマーケティングソリューションの開発やメディアの制作・宣伝などのマーケティングコミュニケーションを担っている。
マーケティングコミュニケーション分野では、個人の嗜好に合わせた広告の表示や情報提供を行うデジタルマーケティングが活発化しているが、この分野では従来のコンピュータが実用的な時間で解くことが難しいとされる組み合わせ最適化問題が多く存在していることから、組み合わせ最適化問題を高速に解くことができるアニーリング技術に着目し、さらなるマーケティング効果の最大化を実現する技術を検討してきた。
富士通研究所が量子の振る舞いに着想を得て開発した「デジタルアニーラ」は、現在商用化されているアニーリング方式の量子コンピュータが得意としている組み合わせ最適化問題を、従来の半導体技術を用いてより柔軟に解くことが可能な独自の計算機アーキテクチャー。精度の高い処理を高速かつ安定的に行うことが可能な実用レベルにあるテクノロジーとして、金融分野などで本格導入に向けた実証を進めている。
こうした背景から、富士通とリクルートコミュニケーションズでは、デジタルアニーラをリクルートコミュニケーションズのマーケティングコミュニケーションに適用し、マーケティング効果の最大化を実現するためのマーケティングテクノロジーの開発を目的とした共同研究を開始する。
共同研究では、富士通が協業してるカナダの1QB Information Technologiesが開発した量子コンピューティング向けソフトウェアを組み合わせた、デジタルアニーラをクラウド形態で活用する。
富士通と富士通研究所は、デジタルアニーラの利用における知見の提供と計算処理の効率性を高めるためのシステム実装を行い、リクルートコミュニケーションズは、これまでのマーケティングコミュニケーションを通じて得られたデータおよびデジタルマーケティングソリューションをベースに、実際のビジネスの中で活用可能な新たなマーケティングテクノロジーの実現に向けた研究開発を進める。
また、富士通とリクルートコミュニケーションズは、マーケティングコミュニケーション分野におけるデジタルアニーラの利便性を高めるための技術の開発も、共同で進めていく。
共同研究を通じて、たとえば、リクルートグループが提供するサービスにおいて、個人の嗜好など複数の属性情報の組み合わせから導き出される、最適なサービスの提案や広告配信など、サービス品質を飛躍的に向上させる新たなマーケティングテクノロジーの開発を目指す。
富士通では今後、デジタルアニーラの適用を支援する技術者を大幅に増強し、さまざまな業種におけるデジタルアニーラの適用を加速していくとしている。