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「小さくてもサーバーです!」、日本ヒューレット・パッカードの超小型サーバー「TM200」
パートナーとの協業によるハイブリッド型ソリューションの核に
2017年3月10日 06:00
日本ヒューレット・パッカード株式会社は9日、x86サーバー製品群「HPE ProLiant」において、超小型サーバー「HPE ProLiant Thin Micro TM200」(以下、TM200)を同日より販売開始すると発表した。価格は17万1000円(税別)から。
「TM200」は、254×254×49.5mm(W×D×H)と、歴代のHPE ProLiantの中でもっともコンパクトなサイズを実現した1ソケットサーバー。さらに、縦置きだけではなく横置きや壁掛けに対応するなど、利用シーンに応じてさまざまな設置スタイルが選択可能になっている。
同社ではこれまでにも、「HP ProLiant MicroServer Gen8」などMicro Serverという名称のラインアップも提供してきたが、同製品のサイズは230×246×233mmのキューブ型であり、それと比較しても「TM200」の小ささ(薄さ)は際立つ。
しかし、データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 DCHC製品統括本部 サーバー製品本部の前田裕貴氏は、「非常に小さいのでどこにでも置けるが、この製品は小さくてもサーバーとして作られており、サーバークオリティが担保されている」という点を強調する。
プロセッサには、SoC(システム・オン・チップ)のXeon D-1500を採用しているほか、メモリやディスクにもHPE ProLiant共通のサーバー品質のものを搭載するなど、サーバー機なら当たり前の24時間連続駆動を前提に作られており、高い信頼性を持つとのこと。もちろん、サーバー向けのOSや仮想化ハイパーバイザーもサポートする。
さらに、HPE ProLiantで評価の高いiLO4(Integrated Lights-Out 4)を搭載しているので、遠隔操作や遠隔からの障害監視が可能。管理面でも従来のサーバーと同様に利用できる。
導入にあたってもユーザーが迷わないよう、Xeon D-1518(2.20GHz、4コア)、8GBメモリ(最大64GB)、ディスクレスのモデル(17万1000円・税別)と、Xeon D-1537(1.70GHz、8コア)、8GBメモリ(最大64GB)、ディスクレスのモデル(21万2000円・税別)だけをラインアップしている。
ディスクは最大2基(8TB)を内蔵でき、オプションのストレージ拡張ボックスを追加すると本体との合計で最大6基(24TB)まで拡張可能だ。
インターフェイスはGigabit Ethernet(GbE)×2ポート、USB 3.0×4ポートを標準で搭載し、GbE×4ポートを増設可能とのこと。
パートナーソリューションのコアとして販売を推進
このように、ハードウェアだけを見てもコンパクトでユニークな製品だが、日本ヒューレット・パッカードでは、単にハードウェアを販売するのではなく、パートナーとの付加価値ソリューションを提供する重要な要素として、この製品を位置付けている。
IaaS/PaaS、SaaSといった形態を問わず、クラウド活用がさまざまな進む今のIT環境でも、利便性、セキュリティ、サービス継続性などさまざまな理由からオンプレミスのサーバーがなくなることはなく、企業ではシステムのハイブリッド化を採ることが増えてきた。
しかし、特に小規模のITシステムにおいては、管理が複雑になる、どれをオンプレミスに置きどれをクラウドに置くか、といったことに悩み、結局はクラウドを活用できないケースがよく見られるという。そこで日本ヒューレット・パッカードでは、「TM200」をベースとしてパートナーとともにソリューションを作り、小規模システムへアプローチしていきたいという考えを示す。
前田氏は例として、バップアップソフトウェアやクラウドストレージと連携したクラウドバックアップ用のゲートウェイサーバー、データセンター事業者が提供するハイブリッドクラウドソリューションのオンプレミス向け端末、セキュリティソフトウェアを搭載したセキュリティゲートウェイ、といった用途を示し、これら以外にもさまざまな使い方ができるとアピールとしている。
なお、サーバー製品の発売にあたって、こうしたパートナー22社がエンドースメントのコメントを発表しており、これは異例のこと。執行役員 エンタープライズパートナー営業統括 エンタープライズアカウント営業統括本部 統括本部長の佐藤真人氏は、「TM200の販売促進に向け、『TM200ソリューションコミュニティ』を立ち上げ、パートナーにはソリューションの開発支援や販売支援を提供していく」とし、パートナーと二人三脚で販売を進めて行く意向を示している。