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ジュニパーのエッジルータ「MX480」、東証のネットワーク基盤「arrownet v2」に採用

ユーザー企業のネットワークコスト削減に寄与

 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は30日、株式会社東京証券取引所(以下、東証)が、ジュニパーのユニバーサルエッジルーター「MX480」を採用したと発表した。東証では、株式売買システム「arrowhead」のネットワーク基盤「arrownet v2」にMX480を導入している。

 東証ではこれまでも、株式売買システム「arrowhead」のネットワークシステム「arrownet」においてジュニパーのルーター「M320」「M120」を採用し、2010年に運用を開始していたが、技術の進化と顧客のニーズの高まりを受け、東証のためだけのネットワークインフラではなく、国内の金融取引全体を統合するネットワークとしてarrownet v2を構築することになったという。

 そのarrownet v2では、東京金融取引所(TFX)や証券保管振替機構(ほふり)、東京商品取引所(TOCOM)への接続性に加え、これまで以上の高速性や信頼性、拡張性、そして、日本の経済インフラとしての公正性、安全性、効率性が求められていたとのこと。

 こうした要件に見合う製品として、今回、ジュニパーのMX480が採用された。採用にあたってもっとも重視されたのはMPLSの機能。従来のarrownetのユーザーは、接続するシステムや本番・テスト環境、ユニキャスト/マルチキャストといった要件にあわせてそれぞれ回線を引く必要があったため、サービス開発・拡張時のネットワークコストが課題になっていたという。

 そこでarrownet v2では、MPLSによる仮想ネットワーク技術を応用し、複数のサービスを1つのネットワーク上で稼働できるようにした。これにより接続回線は1本のみとなるので、利用者のコスト削減を実現できている。

 一方では、拡張性や性能面も評価されているとのことで、arrownet v2は2012年の稼働開始後、2015年9月にアクセスポイントを2つから3つに増設し、2016年2月には利用者への10Gbps回線サービス提供を実現した。

 加えて、ジュニパーのネットワーク機器が共通して採用するネットワークOS「JUNOS OS」も、採用の大きな要因で、MXシリーズはJUNOSによって、どの機器でも同様の機能を実現できるため、arrownetの設計に最適なサイズの機器を選定するだけで、容易に構成を組めたとしている。