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富士通とSAPジャパン、製造現場向けの“ものづくり”支援ソリューション

現場での事象を可視化し解決可能に

 富士通株式会社とSAPジャパン株式会社は24日、製造現場向けソリューションのビジネス領域で協業すると発表した。

 両社ではこの協業に伴い、従来のERPにおける製造・販売・調達管理に加えて、製造パフォーマンス管理が可能なSAPジャパンの拡張サプライチェーンソリューションと、富士通の業種・業務に特化した、“ものづくり”に関するノウハウを活用したインテグレーションを組み合わせ、まずは日本国内に提供する。

 SAPジャパンが提供する拡張サプライチェーンソリューションでは、製造領域に対して2つの製品を用意している。

 このうち「SAP Manufacturing Execution」は、製造現場におけるプロセス全体の管理やリアルタイムな分析、レポートを実行できる製品。現場の生産オペレーションごとの製造実績や品質情報・トレーサビリティ情報を管理し、市場品質の確保と現場改善に向けた基盤を構築可能とした。

 2つ目の「SAP Manufacturing Integration&Intelligence」は、製造実行システム(MES)と、生産ラインのデータ収集を行うシステムやPLC、DCS、SCADA、検査装置といった、多種多様な現場機器、およびERPなどの基幹システムとの接続とデータ取集を可能にするもの。同時に、製造現場におけるさまざまなデータを分析し可視化することで、最適な意思決定を支援するという。

 両社では、これらのソリューションを導入すると、各部門で分断されていた業務データを、販売から調達、生産、製造まで、サプライチェーン領域全体を通してつなぎ合わせられるようになるため、製造現場で発生するさまざまな事象を可視化し、解決可能になるとアピールしている。

 なお富士通は、SAPジャパンからソリューションに関する技術トレーニングや販売や導入時のサポートを受け、両社で積極的なソリューションの拡販活動を実施する。また富士通では、SAPジャパンの拡張サプライチェーンソリューションを米国ですでに提供開始しているが、今回の日本での提供開始も踏まえ、今後はアジアやその他の地域への共同展開を検討するとしている。