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クラウド導入に伴いWANを見直した企業は66.9%、クラウド導入がWAN見直しの契機に~IDC Japan調査

パブリッククラウドへの接続は依然としてインターネット経由が主流

 IDC Japan株式会社は8日、「2016年 国内マネージドICTおよびネットワークサービスの利用に関するユーザー調査」の結果を発表した。

 この調査は、ネットワークサービス、データセンターサービス(コロケーション、ホスティング)、IaaS、マネージド(運用監視)サービス、モビリティ関連サービスなどに関する企業の利用動向を分析しているもの。

 今回の調査では、特に「ハイブリッドIT/クラウド化の進展」「クラウド時代のネットワーク」「モビリティ活用の広がり」「第3のプラットフォームとIoT(Internet of Things)」をテーマに、企業のIT管理者を対象にアンケート調査を実施し、国内913の企業から回答を得た。

 それによると、WANを構築している企業のうち、クラウド導入に伴ってWANの見直しを行った企業は66.9%にのぼり、多くの企業において、クラウド導入がWAN見直しの契機になっていることが明らかになったという。その見直しの目的としては、セキュリティ/ガバナンスの向上、トラフィック容量の拡大、ネットワークパフォーマンスの向上などが挙げられている。

 また、パブリッククラウドと企業拠点の接続では「インターネットを多く利用する」と回答した企業が60.3%で、「閉域網を多く利用する」(18.0%)、「拠点/サービスなどによって使い分ける」(18.0%)を大幅に上回った。

 ここ最近では、ネットワークセキュリティの強化や品質の確保などを目的として、パブリッククラウドへの閉域網接続ソリューションが多く提供されるようになったが、現状では、依然としてインターネットを主に利用する企業が多数派になっている。

 さらに、第3のプラットフォームで協業するITベンダーにどのような能力を求めるかを尋ねた設問では、「セキュリティ設計/導入の高度な能力」「プラットフォームの構築技術」「複雑なシステムをインテグレーションする能力」がトップ3項目となり、「アプリケーション開発力」「業界/コミュニティでの影響力や業務知識」「UIやUX(ユーザーエクスペリエンス)の設計力」などを上回ったとのこと。この背景としてIDC Japanでは、システムが複雑かつ相互接続されるとの認識があると分析している。