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F5が2016年の事業戦略を発表 “制約のないアプリケーション利用環境を提供する”
2016年6月9日 12:09
F5ネットワークスジャパン合同会社(F5)は2日、同社主催のカンファレンス「F5 Agility Tokyo 2016」において、2016年の事業戦略を説明する記者会見を開催した。
会見冒頭に登壇した米F5 Networks ワールドワイドセールス担当エグゼクティブバイスプレジデントのジョン・ディルーロ氏は、2016年のグローバル戦略のビジョンは「制約のないアプリケーション利用環境の構築」と説明。そのミッションとして「場所と時間にかかわらず安全に高速で配信できる信頼性の高いアプリケーション環境を提供していく」と述べた。
ガートナーの2015年の調査結果(Magic Quadrant)についても紹介し、アプリケーションデリバリコントローラ市場では、F5が9年連続でリーダー的な存在となっており、今後もその地位を維持するための余力があることをアピールした。「市場のリーダーであり続けるために必要な研究・開発の余力は十分にある」(ディルーロ氏)。
また、ディルーロ氏はアプリケーションセキュリティ戦略についても言及し、「これまで企業のIT資産は全てファイアウォールの内側で守られていた。しかし、現在では多くのお客様がクラウドをベースにしたアーキテクチャに移行しており、企業は新たな形のセキュリティを考える必要に迫られている」と述べ、F5の新たなアプリケーションセキュリティへのアプローチを示した。
続いて登壇したF5 代表執行役員社長の古舘正清氏は、この1年の成果として、セキュリティビジネスの急成長、アプリケーションデリバリコントローラ分野のシェア拡大、およびSaaSであるF5 Silverlineの国内企業への導入などを挙げている。
特に古舘氏は就任直後からセキュリティ分野に力を入れており、新たなセキュリティビジネスのチームを発足させている。このことが、国内でのセキュリティビジネスの急成長につながったと言えるだろう。「これまでF5といえばロードバランサーの会社というイメージだった。今後はF5と言えばセキュリティと言われる会社を目指す」(古舘氏)。
なお、古舘氏も成果として挙げたSilverlineについては、2015年2月に発表されたDDoS対策やWAF(Web Application Firewall)のほか、新サービスとして蓄積された脅威情報(IPインテリジェンス)によって攻撃をブロックするThreat Intelligenceの追加を発表している。
また、F5のWAF製品であるF5 BIG-IP Application Security Managerの提案、導入、運用をエンドユーザーおよびインテグレーター向けにサポートする「F5 SOC パートナープログラム」を発表し、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、SCSK、NRIセキュアテクノロジーズ、三井物産セキュアディレクション(MBSD)の4社が加盟したことも明らかになった。