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発売を来週に控えたヤマハの最新VPNルータ、「RTX1210」の気になる最終仕様は?
ヤマハ ネットワーク製品アップデートセミナー2014レポート(1)
(2014/11/21 06:00)
ヤマハのネットワーク製品の新製品を紹介する「ヤマハ ネットワーク製品アップデートセミナー2014」が12日、SCSK株式会社により都内で開催された。同セミナーは東京のほか、全国各地で順次開催されている。
11月27日の販売開始が予定されている次期ルータ「RTX1210」の最終仕様や、SCSKによる検証結果、Microsoft AzureとRTX1210をIPsec VPNで接続する方法などが解説された。
本稿では、その様子を紹介する。なお、ロビーでは、各製品の実機が展示されデモされていた。
RTX1210の最終仕様を解説
RTX1210の製品概要について、ヤマハ 楽器・音響開発本部 SN開発統括部 第一開発部 ネットワーク機器グループの藤木大輔氏が説明した。
RTX1210について藤木氏は、「継承と挑戦」というキーワードで説明した。「継承」は、現行製品「RTX1200」との互換性による置き換えやすさだ。ポート構成も、シリアル端子がRJ45になったほかは同一。端子配置もまったく同じというこだわりである。コンフィグもそのまま利用可能。製品名も、あえて「RTX1210」として、RTX1200との共通性を強調している。なお、標準価格も同じく12万5000円(税別)だ。
一方の「挑戦」は、中身をフルモデルチェンジして性能や機能を向上させたことを指す。ハードウェア仕様としては、CPUがPowerPC 1.0GHzに一新して、RAMも256MBに倍増した。
電源はAC100V~240Vに対応(RTX1200はAC100Vのみ)。電源ケーブルが本体一体型から着脱式になっているものの、設置の柔軟性を意識し、差し込みプラグができる限り外部に出ないような構造を採用している。このほか、EEE(省電力型イーサネット)にも対応し、最大消費電力が14.5Wになった(RTX1200は16W)。
筐体は金属製になったが、サイズはRTX1200は220×42.6×270mmから、220×42×239mmへと小型化し、重量は同じ1.5kgをキープ。動作温度の上限値も40℃から45℃にアップした。
性能面では、ルーティング性能が大きく改善。スループットはRTX1200の最大1Gbpsから最大2Gbpsに、VPNスループットはRTX1200の最大200Mbpsから最大1.5Gbpsに高速化した。NATの最大セッション数も、RTX1200の2万から6万5535となった。これは、あて先が異なればポート番号を使い回す、ポートセービングIPマスカレード(仮称)により実現したという。
また、冗長化のためのリンクアグリケーション機能や、FlashROMのフェイルセーフを搭載。コンソールのシリアルインターフェイスも11万5200bit/sまで対応し、日本語表示時の文字コードもUTF-8に対応した。
WebのGUIも刷新された。単にWebから設定できるというだけでなく、「ダッシュボード」機能により、機器や通信の状況をグラフなどでリアルタイムにモニタリングできる。表示アイテムは「ガジェット」として追加削除できるようになっている。しきい値を超えたときの警告の機能もある。
ヤマハのL2スイッチ「SWX2200」や無線LANアクセスポイント「WLX302」で構成したネットワークをビジュアル表示して管理できる「LANマップ」機能も強化。SWX2200やWLX302のポートまでだけではなく、そこに接続したPCやネットワークプリンタなどの情報も検出し、管理できるようになった。
さらに、現在のネットワークの状態を記録する「スナップショット」機能も追加。機器が外されるなど、記録された時点と異なる状態になると、警告を表示する。なお、ファームウェアの最初のアップデートからは、メールでの通知にも対応するという。
細かいところでは、従来はWebブラウザとしてInternet Explorerのみサポートしていたが、RTX1210ではFirefoxやChrome、Safari(iOS含む)に対応した。
これらをふまえ、藤木氏は「GUIは設定するだけの機能ではない。管理や障害の切り分け、障害の説明などに活用してほしい」と語った。