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「第33回 Japan IT Week 春」で見た、さまざまな最新サーバー製品を紹介
2024年5月2日 06:30
IT展示会の「第33回 Japan IT Week 春」が、4月24日~26日に東京ビッグサイトで開催された。
ソフトウェア&アプリ開発展、営業DX EXPO、IoT・エッジコンピューティングEXPO、IT運用管理&データセンターEXPO、情報セキュリティEXPO、デジタルマーケティングEXPO、社内業務DX EXPO、IoT・エッジコンピューティングEXPO、次世代EC EXPO、AI・業務自動化展、メタバース活用EXPO、データドリブン経営EXPOの12の展示会からなる。
ここではその中から、サーバー関連の展示をいくつか紹介する。
ASUS:GPUサーバーを各種展示
ASUS Japan株式会社のブース(IoTソリューション展)では、工場など産業の現場で動くエッジAIを中心に展示。それとともに、GPUを搭載したサーバーを各種展示していた。
AI専用サーバーやGPUサーバー
「最新NVIDIA CPU / GPU対応次世代AIサーバー」のコーナーでは、GPUサーバーの「ESC8000-E11」や「ESC4000A-E12」、AI専用サーバー「ESC N8-E11」を展示していた。
「ESC8000-E11」は、2スロットGPUを8個まで搭載できる、液冷ソリューションに対応した、OCP 3.0準拠の4Uサーバー。ブースの説明では、GPUをライザーによりCPUより持ち上げて層を分けることで、エアフローを分けて冷却効率を上げていることを特徴としていた。
「ESC4000A-E12」は、同様に2スロットGPUを4個まで搭載できるGPUサーバー。研究開発など、「ESC8000-E11」よりは小規模の用途を想定している。ブースの説明では、このモデルでは電源ユニットを前面にもってきたことでエアフローを改善したとのことだった。
「ESC N8-E11」は、HGX H100 GPUを8個搭載する7Uサーバー。ブースの説明では「DGXのASUS版」と表現していた。
最大消費電力350WのH100を8個搭載するにあたり、そのままではケーブルが太くなって取り回しが悪くなること、ケーブルレス接点を採用していることが特徴の一つとして説明されていた。
GPU NVMe RAIDやD2C液冷ソリューション
エンタープライズサーバーのコーナーでは、2UにデュアルスロットGPUを4個まで搭載できる「RS720A-E12-RS12」を展示。このサーバーで、Graid Technology社の、GPUを使ったNVMe RAIDも展示していた。ライト処理をGPUにオフロードすることで、特にランダムライトが高速になるとの説明だった。
さらに、2Uサーバー「RS723Q-E11-RS24」での、D2C(ダイレクトチップ)の液冷ソリューションも展示していた。
オープンRAN向けサーバーや、Grace Hopper搭載機
エッジサーバーとしては、オープンRANやエッジコンピューティングを想定して、基地局などスペースの限られ温度状況が厳しいところに設置できる「EG500」シリーズを展示していた。1Uと2Uのモデルが用意され、コネクタが前や後ろなど設置場所に合わせたデザインのモデルを選べる。ブースでは、GPU用FHFL(フルハイト・フルサイズ)カード3枚に対応した2Uの「EG520-E11-RS10-R」が展示されていた。
HPCのコーナーでは、AIトレーニング向けを想定した1Uサーバー「ESR1-511N-M1」を展示していた。ARM CPUコアとNVIDIA H100 GPUを一体化した「NVIDIA Grace Hopper Superchip」を搭載しているのが特徴。
Supericro:MI300A/Grace Hopperサーバーや、CXL対応ストレージなど展示
クラウド事業者向けや大手メーカーのOEMのサーバーなどを開発製造しているスーパー・マイクロ・コンピュータ(Supermicro)のブース(IT運用管理&データセンターEXPO)では、先端的なサーバーをいくつか展示していた。
「AS-2145GH-TNMR」は、AMDのサーバー用APU「AMD Instinct MI300Aアクセラレータ」を搭載するサーバー。MI300Aは、CPUコアとGPUを一体化したもの。ブースではNVIDIA Grace Hopperとの違いとして、メモリアドレス空間を共有することや、インテルCPUアーキテクチャであることを挙げていた。
一方、「NVIDIA Grace Hopper Superchip」を搭載する1Uサーバー「ARS-111GL-NHR」も展示していた。
CXL(Compute Express Link)対応のオールフラッシュストレージ「SSG-121E-NE3X12R」も展示されていた。CSLは、メモリとNVMe SSDの中間といえる規格で、ストレージとしてはNVMe SSDよりメモリ寄りの低遅延で利用できる。ただし、現在はまだCPU側も対応が進んでいないという。
設置スペースの限られるエッジ向けに、奥行きの短いShort Depthタイプのサーバーも各種展示されていた。
そのほか、液冷に対応したGPUブレードサーバーも展示していた。
GitLabや、UbuntuのCanonicalも出展
「ソフトウェア&アプリ開発展」では、ソフトウェア開発プロジェクトホスティングのGitLabが出展していたのが目を引いた。ざっくりいうと、GitHubの競合サービスだ。
ブースでは、設計からコーディング、CI/CD、モニタリングまで、DevSecOpsのライフサイクルすべてを1つのプラットフォームでサポートしている点をアピールしていた。
「ソフトウェア&アプリ開発展」には、Linuxディストリビューション「Ubuntu」のCanonicalも出展していた。ちょうど会期中にリリースされた「Ubuntu 24.04 LTS」や、リリース予定の組み込み向け「Ubuntu Core 24」、4月に発表された組み込み向けの10年間サポート「Ubuntu Pro for Devices」について紹介していた。