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ネットワークベンダーの最新ソリューションが展示、ブロケード、ジュニパー、メラノックスなど

 ネットワーク技術のイベント「Interop Tokyo 2016」の展示会が、6月10日まで幕張メッセで開催されている。ここでは展示会に並んだブースの中から、ネットワークベンダーのものをいくつかレポートする。

ブロケード、通信キャリア向けNFVソリューションなど展示

 ブロケードのブースでは、通信キャリアを含むソリューションなどが展示されている。

 ShowNet AwardのSDI/NFV部門グランプリを受賞した「Brocade VNF Manager」は、NFVのネットワーク機能を管理するソフトウェアで、OpenStack Trackerをベースにしている。ブースでは、NTTデータ先端技術やデル、レッドハットとともに検証したソリューションを展示している。

 通信事業者のキャリアグレードの利用を想定し、L2/L3 VPNをユースケースとして検証した。VNFD(ネットワーク機能の定義)という定義データに、IPアドレスやVPN仮想ルーター(vCPE)などの情報を記述しておくことで、利用側が詳細な設定を持たずにサービスとしてVPNを利用できるという。デルのハードウェアに、レッドハットのRed Hat Openstack Platform、ブロケードのBrocade VNF Managerや仮想ルーターなどを組み合わせ、NTTデータ先端技術がインテグレーションを行なった。

Brocade VNF Managerを使ったソリューションの検証についての展示。画面のテキストエディタにVNFDの定義が表示されている
検証したリファレンスモデル

 通信事業者を対象にしたソリューションとしては、「Brocade vEPC」も展示されている。買収した旧Connectem社の技術を元にした製品だ。vEPCはNFVによりソフトウェアベースでモバイル事業者のパケットコアを構成する仮想化モバイルコア。通常のアーキテクチャではNME、HSS、SGW、PGWをそれぞれノードに分けて構成するところを、外部インターフェイスは同じまま一体化することで、動作の効率を図るのが特徴だという。

 例えば、使用パケット数上限に達していたユーザーへの通信制限を、月が変わる時に一斉に戻す時など、コントロールプレーンの処理が一時的に急上昇する際にスケールアウトする目的だ。

Brocade vEPCのアーキテクチャ

 そのほか、フローチャート型のGUIでネットワーク障害時などのアクションを定義して自動化する「Brocade Workflow Composer」(買収したStackStorm社の技術をもとにした製品)や、仮想ロードバランサー「Brocade Virtual Traffic Manager」(旧製品名:Riverbed SteelApp Traffic Manager)などを展示している。

 さらに3月に買収したRuckus Wirelessの無線LAN製品も展示していた。Rackus Wirelessの技術は、端末の位置にあわせて最適な電波パターンを適用して高い通信パフォーマンスを保つ「スマートアンテナ」が特徴だという。

フローチャート型のGUIでネットワーク障害時などのアクションを定義して自動化する「Brocade Workflow Composer」
仮想ロードバランサー「Brocade Virtual Traffic Manager」
Rackus Wirelessの無線LAN製品

ジュニパー、キャリア向け製品やセキュリティ製品など

 ジュニパーのブースで、キャリア向け製品のコーナーでは、コンパクトで大容量なコアルーター「PTX3000」を展示。特に今回は、DWDMの光伝送装置を搭載するラインカードなどを展示している。また、同コーナーでは、ShowNet Awardのキャリア/ISPネットワーキング部門で準グランプリを受賞した「MX2010/MX2020 MPC9ラインカード」も展示している。

コアルーター「PTX3000」。DWDMの光伝送装置を搭載するラインカードなど
ShowNet Awardのキャリア/ISPネットワーキング部門で準グランプリを受賞した「MX2010/MX2020 MPC9ラインカード」

 セキュリティのコーナーでは、次世代UTM製品のSRXシリーズを展示。小規模向けの「SRX300」や、「SRX340/345」、中規模向けの「SRX1500」を並べている。

 そのほか、JUNOSによるオートメーションや、VMware NSX連携ソリューションなどについて展示している。

次世代UTM製品のSRXシリーズ
JUNOSによるオートメーション
VMware NSX連携ソリューション

メラノックス、スイッチを中心に展示

 メラノックスのブースでは、スイッチを中心に、ネットワークカードも合わせて展示している。

 ネットワークカードの「ConnextX-4 Lx」は、デュアルポート100GbEネットワークカード「ConnectX-4」の廉価版で、50GbEのシングルポート対応。ShowNet Awardのサーバ&ストレージ部門で準グランプリを受賞した。

 スイッチとしては、100GbE×32ポートの「SN2700」や、25GbE×48ポート+100GbE×8ポートの「SN2410」、40/56GbE×12ポートの「SX1012」が展示されている。

 そのほか、スイッチ「SN2000」シリーズでのベアメタルスイッチ向けネットワークOS「Cumulus Linux」のサポート(4月発表)についても展示されている。

ネットワークカードの「ConnextX-4 Lx」「ConnectX-4」や、スイッチ「SN2700」「SN2410」「SX1012」
展示パネル。Cumlus Linuxサポートについても説明している