仮想化道場
2015年のサーバープロセッサを解説する
(2014/12/26 06:00)
HaswellベースのXeon E7が登場予定
一方、ハイエンド向けには、HaswellベースのXeon E7(名称はXeon E7 v3になると予想される)が春~夏にリリースされる予定だ。Xeon E7に関しては、ミッションクリティカル向けのプロセッサとしてリリースされる。
コア数に関しては、20コア以上になるだろう。また、Itaniumが持っていたRAS機能(Reliability、Availability、Serviceability:信頼性、可用性、保守性)が強化され、Itaniumプロセッサに近い信頼性、可用性を持つようになると予想されている。
現在、Xeon E7 v2シリーズでは、8ソケット向けのE7 8800シリーズ、4ソケット向けのE7 4800シリーズ、2ソケット向けのE7 2800シリーズがリリースされている。Xeon E7 v3世代では、2ソケット向けのE7のラインアップが整理されるのではと予測されている。
さらに、8ソケット、4ソケットにおいても、モデルを絞っていくようだ。これは、あまりにもXeon E7のラインアップが増えすぎたこともあるが、Xeon E5 v3のパフォーマンスが上がることで、一部Xeon E7のラインアップとかぶる部分が出てきているため。こうしたことを受け、Xeon E7をミッションクリティカル向けのプロセッサとして再定義し、より大規模なシステム向けに提供しようと考えているようだ。
なお、Xeon E7のラインアップが充実するにつれて、Itaniumプロセッサの位置づけが難しくなってきている。現在開発中のItanium(開発コード名:Kittson)は、当初2013年のリリースといわれていた。Xeon E7とのピン互換を実現するとも発表されていたが、結局Xeon E7とのピン互換は中止になり、既存のItaniumとのピン互換となった。このときには、2014年へのリリース延期と発表されていた。
しかし、2014年にKittsonはリリースされなかった。現在もKittsonのプロジェクトは中止にはなっていないようなので、2015年中にはリリースされるだろう。
重要なのは、Kittson以降のロードマップだろう。このあたりは、HPがIntegrity Superdomeをどうしていくのかがかかわってくる。2014年末にx86版のSuperdome Xがリリースされたため、もしかするとItaniumの終焉が迫ってきたのかもしれない。
Broadwell(開発コード名)アーキテクチャのXeon E5に関しては、2015年中のリリースは難しいかもしれない。デスクトップ向けの第5世代Core iプロセッサが2015年の夏~秋と言われているため、サーバー向けは2016年後半になるだろう。
また、Broadwellアーキテクチャの次世代となるSkylake(開発コード名)アーキテクチャのプロセッサも、IDF 2014でデモされている。予想としては、Skylakeアーキテクチャのプロセッサは2015年末から2016年初めに、まずモバイルノート向けのプロセッサとしてリリースされ、クライアントPC全般で提供されるようになるのは、2016年の後半、もしくは2017年に入るかもしれない。これが正しければ、Skylakeのサーバー向けプロセッサは2017年後半になるだろう。