仮想化道場

サーバー向けにチューンナップされた新しいAtom「C2000シリーズ」 (I/Oを強化したAtom C2000シリーズ)

I/Oを強化したAtom C2000シリーズ

 Atom C2000シリーズでは性能を向上させるため、DDR3-1600/DDR3L-1600を2チャンネルサポートしている(ECC付きメモリもサポート)。1チャンネルあたり2枚のDIMMが搭載できるので、最大64GBの容量を実現可能だ。

 また、堅牢なDRAM障害保護機能、内部データパス・パリティ保護、低消費電力モードなど、過酷なエンタープライズ環境において利用してもトラブルが起こりにくいように、RAS機能が搭載されている。

 PCI Expressは、Gen2×16レーンが用意されている。4つのルートポートを利用できることから、1×16レーンだけでなく、2ポート×8レーン、4ポート×4レーンなど、複数の組み合わせを作ることも可能だ。これらのポートをうまく使えば、SATA ExpressなどSSDを標準で搭載することも可能だろう。

 ディスクのインターフェイスとしては、6GbpsのSATA 3.0が2ポート、3GbpsのSATA 2.0が4ポートサポートされている。

 ネットワークは、Gigabit Ethernet(GbE)もしくは2.5Gbps Ethernetが4本サポートされた。現在のEthernetではGbEがスタンダードとなっているため、そちらが利用されることがほとんどだろう。2.5Gbps Ethernetは特殊な用途で利用されるものと思われる。

 これら以外では、USB 2.0/1.1が4ポート搭載されるほか、SMBusやPCU(シリアル/パラレルインターフェイスなど)がサポートされている。

Atom C2000シリーズでは、DDR3-1600/DDR3L-1600をサポート。最大64GBのメモリを実現している。また、SODIMMを2段重ねで搭載できるスタック型DIMMコネクタにも対応した
PCI Express、ネットワーク、USB、SATA、SMBus、PCUなどのインターフェイスを統合して扱うシステムファブリックが用意されている
PCI Express Gen2が16レーン用意され、これにより最大80Gbps(実質64Gbps)の広帯域のバント幅が実現した。また4つのルートをサポートし、複数のレーン構成にすることができる。ディスクインターフェイスのSATAは、6Gbps SATAと3Gbps SATAをサポート
Atom C2000シリーズは、PCHをプロセッサに統合している。各種インターフェイスをサポートする外部チップは必要ない
1Gigabit Ethernetを1本と、2.5Gbs Ethernetを4本サポート。後者マイクロサーバーの内部接続インターフェイスとして利用されるのだろう

 Atom C2000シリーズは、マイクロサーバーのように1台の筐体に多数のプロセッサを搭載するため、管理システムが重要になる。そのため、Shared Module Management Controller(MMC)が簡単に接続できるようになっている。Intel自体がMMCを提供しているわけではないが、他社のMMCを簡単に接続できるので、多数のサーバーの管理を容易に行えるのだ。

Atom C2000で利用されるMMC。BMCを内蔵しているため、プロセッサモジュールの電源のオン/オフ、モジュールの状態監視などがサポートされる
Atom C2000シリーズを使ったサーバープラットフォーム(開発コード名 Edisonville)。外付けには、メモリとSATAドライブ、NIC、MMCなどしかない

(山本 雅史)