仮想化道場

Haswell世代のXeon E3サーバー「DL320e Gen8 v2」を試す (DL320e v2のハードウェアは?)

奥行きが約半分になった1Uサイズのサーバー

DL320e v2のハードウェアは?

 前述したように、DL320e v2が採用しているプロセッサは、Haswell世代のXeon E3-1200 v3シリーズだ。

 具体的な製品としては、Xeon E3-1220 v3(3.10GHz)、E3-1240 v3(3.40GHz)、E3-1280 v3(3.60GHz)、E3-1265L(2.50GHz TDP45W)などが選択できる。このうちXeon E3-1220 v3ハイパースレッディング機能が利用できないため、4コア/4スレッド。他のプロセッサは、ハイパースレッディング機能を利用できるので、4コア/8スレッドで動作する。

 Haswell世代でのCPUコア部分への大きな機能追加としては、AVX2、FMA3、トランザクションメモリのハードウェアサポート、Indexing and Hashing、暗号化機能の向上などが挙げられる。

 AVX2や暗号化などの新しい命令セットを積極的に利用したプログラムでは、大幅に性能アップを果たしているが、そうでなくても、分岐予測の向上などにより、Ivy Bridge世代のCPUコアに比べると10~15%ほどの性能はアップしている。

 メモリは、ECC付きのアンバッファDIMMを採用している。8GB×4スロットで、最大32GBのメモリを搭載可能。メモリのスピードはDDR3-1600MHzまでをサポートしているため、高速メモリを使えばシステム全体のパフォーマンスがアップする。さらに、1.35V動作の低電圧メモリをサポートしているため(通常は1.5V)、このメモリを使えばシステム全体の電力消費を抑えることも可能だ。

 ディスクコントローラは、標準モデルの場合、6Gbps SATA/3Gbps SATAをRAID 0/1/1+0で利用するHP B120iが搭載されている。もしSASのディスクを利用したい場合は、オプションのRAIDカードを導入する必要がある。

 ただしDL320e v2は、搭載できるドライブ数が少ないため、大容量のHDDを搭載するよりも、SSDなどを使って高速で低消費電力のサーバーとして使った方がメリットが出てくると思う。電源に関してもノンホットプラグの300W電源が搭載されているため、そう多くのディスクは増設できない。

 ネットワークとしては、標準でGigabit Ethernet(GbE)を2つ搭載し、管理用のEthernetポートを別に1つ搭載している。できればメザニンカードなどで10GbEが使えるようになれば、大きな付加価値になると思うのだが。

 また、DL320e v2は日本HPのGen8世代サーバーなので、管理機能としてiLO4をサポートしている。Gen8世代では、単なるリモートKVMだけでなく、インテリジェントプロビジョニングなどOSやBIOS、ファームウェア、ドライバーのインストールを自動的に行う機能が用意されているため、サーバーのインストレーションになどが非常にやりやすくなっている。

バックパネルには、USB 3.0×2ポート、USB 2.0×2ポート、GbE×2ポート、iLO4用の管理ネットワークポートを搭載。PCI Express 3.0(PCIe) x8が1スロット、PCIe 3.0 x16が1スロット用意されている
フロントには3.5型ディスク×2(あるいは2.5型ディスク×4)、USB 2.0×2ポート、CD/DVDドライブが用意されている
DL320e v2のパネルを外したところ。左側にあるのが、プロセッサを含むマザーボードで、手前にHDD、奥には電源ユニットがある。ゆったりとした設計だ
電源ユニットのそばにはスペースがあるので、将来的に電源の二重化も可能になるかもしれない
3.5型ドライブは、さすがに場所をとる。コンパクトなサーバーには、2.5型などのコンパクトなドライブが向いているだろう。光学ドライブも場所を取るので、iLO4のサブスクリプションを安くして、CD/DVDドライブを搭載しないという選択があっていいと思った
パッシブ型放熱フィンの下には、Xeon E3-1280 v3がある。左側には、メモリのソケットが4ソケット用意されている。放熱フィンの上には、MicroSDソケットも用意されている
PCIeは、PCIe 3.0 x8、PCIe 3.0 x16で合わせて2スロット用意されている。マザーボードに平行して装着するため、厚みのあるGPUカードなどは難しいかもしれない(電源供給の問題もありそうだ)

(山本 雅史)