仮想化道場

IDF13 San Franciscoに見る、2014年のサーバー向けプロセッサ (マイクロサーバー向けのAtomシリーズも注目)

マイクロサーバー向けのAtomシリーズも注目

 Xeon E5-2600 v2とほぼ同じタイミングに発表されたAtom C2000は、Atom向けの新アーキテクチャであるSilvermontコアが採用されたプロセッサだ。

 Silvermontコアは、以前のSaltwellコアとはマイクロアーキテクチャデザインを一新。アウトオブオーダー型のプロセッサに変更し、ある程度のパフォーマンスが出せるようになっている。

 CPUコア自体は、2コアで2次キャッシュメモリを共有するため、パリエーションとしては、2の倍数となり、2~8コアまでが用意されている。また、最大2.6GHzまでのターボブーストも実現された。

 アーキテクチャは、64ビットのx64アーキテクチャを採用し、SSE 4.1/SSE 4.2をサポートしている。さらに、AES暗号の暗号化や復号化を高速化する命令AES-NI、Ivy Bridgeにも搭載されたIntel Secure Key、Intel OS Guardなども利用可能だ。

 メモリは、性能を向上させるために1600 DDR3/DDR3Lを2チャンネルサポートしている(ECC付きメモリもサポート)。1チャンネルあたり2枚のDIMMが搭載できるため、最大64GBの容量を実現する。

 また、エンタープライズでの利用を考えて、堅牢なDRAM障害保護機能、内部データパス・パリティ保護などの機能を利用でき、過酷なエンタープライズ環境において利用してもトラブルが起こりにくいように配慮された。

 ネットワークは、Gigabit Ethernet(GbE)もしくは2.5GbsのEthernetが4本サポートされている。現在のEthernetでは、GbEがスタンダードとなっているため、そちらで利用されることがほとんどで、2.5GbsのEthernetは特殊な用途向けになるだろう。

 HPでは、高密度サーバーのMoonShotにおいて、早い時期にAtom C2000を採用したいと考えているようだ。Atom C2000ほどの性能があれば、現在のMoonShotのメイン用途と考えられているWebサーバーのフロントだけでなく、ビッグデータの解析を行うHadoopサーバーとしても利用されるだろう。

Atom C2000のアーキテクチャ。最大8コア、メモリは最大64GBをサポート。CPUコアの改良によりAtom S1200より7倍の性能アップを果たしている

(山本 雅史)