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日立ソリューションズ・テクノロジー、設計書や手順書の図表や文脈を維持したままナレッジ化する「RAG管理ソフトウェア」を販売

 株式会社日立ソリューションズ・テクノロジーは30日、社内に眠る設計書や手順書、障害対応記録などの複雑な技術文書を、図表や文脈を維持したまま知識化するドキュメント構造化エンジン「RAG管理ソフトウェア(Hyper RAG 匠)」を販売開始した。

 日立ソリューションズ・テクノロジーは、資料内の「章・節・図・表」のつながりを損なわずに整理する高度なドキュメント構造化を実現した。図の内容をAIが理解できる言葉で要約する機能や、表の階層関係・単位・項目の意味を崩さず正しくデータ化する技術を強みとし、LLMの推論能力を最大限に引き出すデータ供給基盤としてパッケージ化した。

 ドキュメントを正しく構造化してLLMに入力することで、的外れな回答や検索漏れの抑制に貢献する。これにより、あらゆる組織が安全かつ実用的なレベルでAIの恩恵を日々の業務に組み込める世界を目指し、「RAG管理ソフトウェア」を開発した。

 開発にあたっては、株式会社日立システムズと共同でRAGの精度向上に取り組み、複雑なデータや図表の取り込み精度向上を実現した。

RAG管理ソフトウェアの構造

 「RAG管理ソフトウェア」の導入により、組織は誤回答リスクを論理的に最小化し、業務に耐えうる「高い信頼性」を確保できる。生成AIをビジネスに活用する上での最大のリスクとなる、事実と異なる回答を生成する「ハルシネーション」に対して、製品では図の解説文のデータ化や、ページをまたぐ表の結合も章節の階層関係を崩さない構造化技術をベースに、言葉のニュアンスまで捉える検索技術と、従来のキーワード検索を組み合わせた上で、「見つけてきた資料が本当に正しいかをAIがもう一度精査する仕組み」を組み込んでいる。

 すでに導入されているチャットボットや社内システムに製品を連携させ、回答根拠や参照した表データを確認できる仕組みを構築することで、既存の資産を生かしたまま、実務に耐えうる高い信頼性を確保できる。

 また、埋もれていた非構造化データの資産化による、労働力不足とナレッジ継承を解決する。

 多くの組織において、過去の提案書、設計書、図表など、整理・構造化されていない大量の資料(非構造化データ)が組織内に眠ったまま活用されていないことが多くの企業・組織に共通する課題となっている。製品は、これらの資料を特別な加工なしでシステムに取り込み、職人が資料を読み解くような精度で知識化(ナレッジ化)する。

 図の概要生成と表の値の上位/下位の階層、単位・範囲の意味を維持する意味正規化技術により、業務の効率化を推進すると同時に、属人化していた熟練者のノウハウを組織の共有資産として次世代へスムーズに継承することを可能にする。

 さらに、組織固有の機密情報の厳格な保護を実現する。完全にクローズドなオンプレミス環境での構築に対応しているため、外部へのデータ持ち出しが制限される機密情報や独自の知的財産、個人情報などを保護しながら、安全にAIを実務に組み込める。

 「RAG管理ソフトウェア」は今後、資料内の図(グラフ、フローチャート、構成図など)に含まれる文字情報を、前後の文脈や配置を考慮して正しく識別・データ化する機能の実現を目指す。この機能拡張により、従来のテキストデータだけでは捉えきれなかった図の中の解説や注記までを検索対象に含めることが可能となり、組織内資料のさらなる活用と、情報検索精度の一層の向上を目指す。

 また、生成AIと自律的なやり取りを行いながら回答データを取得するAgentic RAGの開発を進める。これにより、ユーザーからのあいまいな質問や複数ステップの確認が必要な複雑な質問に対するさらなる回答精度の向上を目指す。

 さらに、資料の関係性を網羅的に考慮したGraph RAGの開発を進める。この機能拡張により、通常のRAGでは捉えきれない広範な文書間のつながりをグラフ構造化して一元管理し、より多角的で正確な回答の供給を目指す。