週刊海外テックWatch
見えない透かし、消せない疑問 Claudeの透明性対応が波紋
2026年8月17日 11:35
FAQ公開、浮上する過去の無断コード
反響を受けてか、Anthropicは「テキスト透かしの仕組み」と題したFAQ文書を8月14日に公開した。
その中で同社は、透かしの技術が、2024年にGoogleが発表した「SynthID」を利用していることを明らかにした。生成時の単語や文字列の選択確率を調整して識別可能なパターンを埋め込む方式で、Geminiの生成テキストにも導入されている。
また、透かしは品質には影響せず、特定の個人や組織に結びつく情報は含まず、追加のトークン消費もないと強調。「Claudeが選択した単語にのみ適用」されるため、「文章の一部がClaudeによって書かれた可能性の程度」を示すことしかできないと説明した。
マークの入り方については、人間が書いた文章に部分的に手を入れる校正では、透かしが入る部分はわずかとなる一方、全ての単語がClaudeによって選ばれる翻訳では全体に透かしが入るとしている。そして「まもなく、透かし検出APIの提供を開始する予定」と発表した。
この説明でユーザーの不満が収まるのか、まだ見通せない。
Decryptは、透かしを解除するためのプロジェクトがGitHub上で相次いで立ち上がったことを伝えるとともに、Anthropicがユーザーに無断で追跡コードを仕込んでいた過去があったと指摘する。
今年6月、Claude Codeのシステムプロンプトに、見えないUnicode文字が埋め込まれているとの報告が第三者からあり、批判を受けて削除した。中国企業によるClaudeの不正利用や蒸留を追跡するための実験だったと報じられている。
AI開発企業のし烈な競争の一幕だったが、ユーザーにとっては今回の「見えない透かし」もまた、説明のつかない仕組みの延長に見える。