週刊海外テックWatch

見えない透かし、消せない疑問 Claudeの透明性対応が波紋

規制対応の代償、噴出する反発

 ところが、Anthropicの発表を受け、ネット上ではユーザーの一部から特にテキストの透かしへの反発や懸念が相次いだ。

 ForbesはXや掲示版の声を集めて紹介しているが、ほとんどは自分で書いたテキストの校正にのみClaudeを使用していると主張する人や、コードに透かしを追加することで「出力の質が低下する」ことを懸念するプログラマーだという。例えば、ラジオ司会者のErick Erickson氏はXで、質の良い校正のためClaudeを使い出したのに、「私が書いたものに、Claudeが作業したという透かしが入ってしまう。馬鹿げている」と投稿した。

 掲示板のRedditでは、さらに、AI生成コンテンツのクレジットは誰に与えられるべきかという議論が巻き起こった。「指示や判断で微調整したのは私だ」と人間の作業を強調する声に対しては、「指示を出しただけの上司が部下の仕事の成果を100%持っていくようなもの」との反論が出た。

 また「Claudeの手柄を主張しているのでなく、単にAIの関与を示すだけ」とAnthropicの方針に賛同する声もあった。「かなりの部分をAIが生成したテキストに透かしが入ることに、なぜ不満なのか理解できない」という意見もあった。

 さらに、「最先端のモデルの多くがどうやって訓練データを手に入れたかを考えると、自分の作品にAIの透かしを入れられるのは恐ろしいほど皮肉なことだ」とAnthropicを批判する声もあった。

 Fortuneは、こうした反発の背景として、SNSやWebに低品質なAI生成コンテンツ、いわゆる「AIスロップ」が増えていることを挙げている。そして、Substackが読者向けのAIスキャン機能を導入し、YouTubeも反復的・大量生産的なコンテンツへの対応を強化していると紹介する。