週刊海外テックWatch
全米でAIデータセンターに“No” NY州は米国初の一時停止命令
2026年7月27日 11:23
抗議は全米125カ所超に、土地収用・許認可否決も相次ぐ
住民の意向はどうだろうか――。CNBCは、世論調査会社Siena Research Instituteが6月に実施した調査で、1年間のモラトリアムを「州にとって良い」とする回答が46%で、「悪い」の21%を上回ったと伝えている。民主党・共和党両方の支持層で賛成が優勢だったという。
反発は州内にとどまらない。7月18日、保守系団体HumansFirstの主導によって全米125カ所以上で同時多発的な抗議デモが開催された。同団体を創設したのは、ティーパーティー運動のリーダーだったAmy Kremer氏だ。デモはデータセンター反対運動として初の全米統一行動とされている。Kremer氏はReutersに対し、反対運動は超党派だと述べ、11月の中間選挙、さらには2028年の大統領選でも争点になるとの見方を示した。
地域社会と業者側の摩擦も起きている。CBS Newsは7月13日、ジョージア州の電力会社Georgia Powerが、データセンター向けの送電線を建設するため300以上の区画の土地取得を進めていると報じた。売却に応じない住民に対しては、「土地収用権」を持ち出して交渉しているという。土地収用権は、政府や公益事業者が公共の目的のために私有地を強制取得できる権限だ。
また、許認可の段階でも開発計画が止まり始めている。フロリダ州パームビーチ郡では7月15日、600メガワット規模のAI・クラウド向け施設「Project Tango」が住民の懸念を背景として、郡委員会で5対1で否決された。Data Center Knowledgeは、データセンターの建設において「地元の許認可リスク」という新たな変数が加わったと分析している。