あらためてSOAに挑む!

PART02:【座談会】混迷期抜けた。これからが本番だ


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夢を語りすぎて混迷した反省~対象絞り、これから本番を迎える

 長年、SOAを実現する製品を提供してきたIT企業のエンジニアは、これまでの流れをどう考えているのか。 議論を通じて得られた結論は、「むしろこれからが本番」ということだ。

高野 忍 氏
(ソフトウェア・エー・ジー システムエンジニアリング マネージャー)

中村 秀樹 氏
(日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 パートナービジネス開発部 シニアマネージャー)

三好 啓太 氏
(SAPジャパン ビジネスユーザ&プラットフォーム事業部 プラットフォーム営業部 シニアソリューションセールス)

渡辺 隆 氏
(日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 SWブランド&チャネル・マーケティング WebSphereマーケティング・マネージャー)

 

── 2003年から2005年にかけて、SOAが現在のクラウド並みの関心を集めました。しかし、振り返ってみれば、あまり普及しなかった。その要因は、どんなことにあったと思いますか?

三好:色々な要因があると思いますが、当時、SOAを顧客に提案すると、「考えは素晴らしいが、肝心のサービスはどこにあるんですか?」と、必ず指摘されました。確かにレガシーシステムやクライアント/サーバー型システムなどが混在する環境では、サービス化しにくいものが多い。サービスを用意するためには既存システムに手を加える必要があり、これが普及を阻害する足かせの1つだったことは間違いないでしょう。

中村:結局、SOAという言葉が先行し、顧客に正しくSOAを理解してもらうことができなかったと思います。SOAについて説明した後、「で、どうしてSOAが必要なの?」と話がループすることもありましたしね。“サービス”という概念が難しかったのではないでしょうか。

渡辺:それに加えて、業務プロセスのモデリングや可視化などのBPM、ユーザーインタフェースのポータルを含め、当時はすべてをSOAで括っていた気がします。

 

── 一言で言えば「夢を語りすぎた」と(笑)? 最近は、変わってきましたか?

渡辺:我々は、SOAとBPMを切り分けて説明するようにしています。SOAという言葉が指す範囲を、あえて狭くしているんです。

高野:実際問題として、SOAという言葉にとらわれるのは良くないと思いますよ。顧客の中には「当社もSOAに取り組みたい」と言うものの、聞くとSOAを正しく理解していないケースが少なくありません。そこで顧客からSOAという言葉が出てきたときには、「その言葉を使うのは止めましょうよ」と提案しています。

 

── そこまで…。

渡辺:我々もSOAという言葉を全面に出さず、システムをつなぐという意味で「コネクティビティ」と表現します。「サービス指向アーキテクチャ」も、出しませんね。

三好:SAPでは一頃言っていた、エンタープライズSOAという言葉を使わず、「ビジネスプロセスプラットフォーム」と言ってます。

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(記事提供: IT Leaders)
2011/2/15 06:00