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AI推論チップのGroqが欧州データセンター開設 “スピード”でNVIDIAに挑む
2025年7月14日 11:26
4週間で欧州進出、データ保管場所のニーズに対応
GroqはAIブームを追い風として急成長している。同社は2024年8月にシリーズD投資ラウンドで28億ドルの評価額を受け、6億4000万ドルを調達した。Cisco、Samsungなどが出資した。2025年2月にはサウジアラビアから15億ドルの投資確約を得た。さらに7月9日には、3億ドル~5億ドルの資金調達に動いているとReutersに報じられた。成功すると評価額は60億ドルになるという。
欧州初のデータセンター開設は、そんな中での動きだ。
Groqによると、欧州データセンターはデータセンター企業のEquinixとの提携によって実現した。「AI推論の需要がますます高まる中、より多くのキャパシティ、より多くの効率性、そして拡張性のあるコストなど、より多くのものを必要としている」(Ross氏)といい、欧州の顧客向けに「可能な限り低い遅延ですぐに利用できるインフラを得られる」と意義を強調している。
おりしも欧州では、「EU AI Act」(昨年5月成立)による規制強化に加え、GDPR(EU一般データ保護規則)によるデータ保護要件への対応も進められているところだ。欧州データセンターは、データの保管場所をEU域内にとどめたいというニーズにも応えるものだ。
その欧州データセンター開設で特筆すべきは、素早さだ。Ross氏は、4週間前にヘルシンキへのデータセンター構築を決定し、現在、サーバーラックを設置中で、週末にはトラフィックの処理を開始する、とCNBCに述べている。需要動向に応じて短期間で展開可能なのもGroqの強みだ。
Groqは米国のほか、カナダ、サウジアラビアにデータセンターを展開している。