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ついに悲願達成? Googleのモバイル通信サービス進出

 Googleがモバイルキャリアに進出する計画を明らかにした。Googleが携帯電話ネットワークサービスを提供するという噂は以前からあったが、これを認めたものだ。自らがネットワークを構築するのではなく、他キャリアの回線を借り受けて自社ブランドで提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)のサービスだ。ITサービスの価格破壊をもたらし、産業界の構造までも変えてきたGoogleの次の動きが注目される。

「Nexus」プロジェクトに似た取り組み

 3月2日にスペイン・バルセロナで始まった「Mobile World Congress」(MWC)の演壇上。Android、Chrome、Google Apps製品統括バイスプレジデントのSundar Pichai氏がモバイル通信事業への展開を表明。「われわれはハードウェア、ソフトウェアそれにネットワーク接続を総合的に考えるべき段階に来ている」と語った。

 「Google MVNO」についてモデレーターの質問に答える形で述べたもので、GoogleのMVNOは「ハードウェアとソフトウェアを合わせて新しい領域を開く」Nexusのプロジェクトに似たところがあると説明した。そして、「アイデアの成果は数カ月のうちに見てもらえるだろう」と期待を持たせた。

 メディアは、Googleの携帯事業参入に強い関心を持っている。巨大企業が君臨するモバイル通信業界に同社が参入することで、通信料金が安価になる可能性があるからだ。

 例えばSlate.comは「平均的なアメリカ人は電話代に年間1000ドル以上払っている。これは家庭のインターネットとケーブルの支払いを合わせたよりも高い。そんなことがあっていいはずはない。ワイヤレスサービスのスタートアップはそのことを分かっているし、Googleもそうだ」と述べ、Googleの参入がモバイル通信料金引き下げの契機になることを期待する。

 またCNNは、GoogleがSprintとT-Mobileのネットワーク使用で、1GBあたり2ドルを支払うだろうというアナリストの予想を紹介。これによって、VerizonとAT&Tのモバイル2強が恐れるほどの激安サービスを提供できるとしている。

(行宮翔太=Infostand)