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AppleがTeslaを買収? 次の“Big Thing”

“Next Big Things”を待ち望む市場

 AppleのTesla買収の憶測を呼んだのは、San Francisco Chronicleが記すようにAppleに対する「次の“Big Thing”」への期待だ。iPhoneやiPadで新しい市場を作ってきたAppleだが、iPadは2010年に登場してそろそろ4年になる。Jobs氏が死去して以降、Appleの“隠し球”に市場は注目している。例えばAhmad氏は公開書簡で「すぐに新しい市場に移動する必要がある。さもなくば、iPhone事業の異常な高さのマージンを、どうやって維持するのかに関心が向き続けることになる」と記している。

 発端のSan Francisco Chronicleは、AppleがTesla買収による自動車に加えて、医療分野でも開発を進めていると伝えている。その1つが、静脈を流れる血液の音から心臓発作を予測する技術の開発だ。専門家や医師などを起用しており、米食品医薬品局(FDA)のロビー活動に精通した弁護士などもその中にいる。2013年末にFDAのメディカルデバイス担当者と会い、「モバイルメディカルアプリケーション」をテーマとした話をしたという。

 Appleは時価総額で世界最大の企業となり、業界はAppleにイノベーションやカテゴリー創出を求めるようになった。「Appleは、故Steve Jobs氏のビジョンを超えて成長を再着火できる新製品に大きく依存している」とアナリストはコメントしている。

 次の“Big Things”は何なのか――。うわさのiWatchか、電気自動車か、メディカル端末か、それとも全く別の何かか。Appleは市場のプレッシャーに打ち勝って示すことを求められている。

岡田陽子=Infostand