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ポストPC時代に向けた新戦略 PCゲームのValve (激動を迎えるゲーム業界)
(2013/9/30 10:09)
激動を迎えるゲーム業界
専門家の意見を見てみよう。IDCでビデオゲーム分野のアナリストのLewis Ward氏は「こんな遅くにゲーム分野でLinuxベースのOS(StreamOS)をリリースするとは、大胆なアイデアだ」とBBCに述べている。Valveは顧客の声を聞いて、製品として出すまでには確固としたものを用意するだろう、と信頼を寄せる。
Computer and Video Gamesの編集長、Rob Crosley氏は、PCユーザーをターゲットにしているのであれば、すでに高価なシステムがあるとし、「誰を想定ターゲットとしているのか」と首をかしげる。一方で、3つ目のコントローラーについては過去20年間もの間大きな進展がなかったコントローラー分野に新しいトレンドを吹き込む可能性があると指摘し、「大胆不敵」と評価する。
その一方で、Rock Paper Shotgunの編集長、John Walker氏はPCゲーマーが簡単にハンドヘルド型のコントローラーを受け入れるかについては懐疑を差し挟む。そして、リビングルーム(=ソファなど離れた場所からゲームを利用する)については、離れたところでPCゲームをプレイするユーザーはうまくいかないことを体験しているとも指摘し、Valveは技術や価格などを適正にする必要があるとし「リスクがある」と結論づけている。
ソニー、任天堂、Microsoftがクローズドであるため、SteamOSのオープン性は強みになるとTechRadarが分析したのに対し、Washington Postは「(オープンは)開発者にとっては必ずしもよいものではない」とAndroidのような分断化に陥る可能性を指摘する。「ビジョナリーか空想か」と分析したPCMagは、SteamOS/Steam Machinesの成功にはEAやUbisoftといった大手の協力が不可欠であることを指摘しながら、ゲーム機と違って柔軟性が高いSteam MachinesとContorollerがPCとゲーム機の橋渡しにつながる可能性を挙げて「(成功に)楽観している」とする。
Valveの狙い通りに進めば、ゲーム業界は大きな変化を迎えることになるだろう。モバイルがもたらしたポストPCというトレンドはさまざまな分野をゆっくりと変えつつあるようだ。