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AIエージェントの時代へ Microsoftが新組織を立ち上げ
2025年1月20日 11:21
AIのエージェントとは何か
「エージェント」はシステムの世界で新しい言葉ではないが、AIの文脈で2024年後半から頻繁に見られるようになった。特に、Googleの「Gemini 2.0」の発表や、Salesforceの「Agentforce」の発表の際にクローズアップされた。
例えば、GoogleはGemini 2.0を「エージェント時代に向けたモデル」と位置付ける。Gemini 2.0はユニバーサルAIアシスタントのリサーチ「Project Astra」ChromeのAI活用のための拡張「Project Mariner」、開発者のコード作成支援「Jules」などを包含し、「ユーザーの監督の下、ユーザーに代わって行動する」AIエージェントを作成できると説明する。
また、Salesforceは2024年9月に自社イベント「Dreamforce」で、自律型AIエージェントを作成できるプラットフォーム「Agentforce」を発表した。“proactive”な関連データの取得、行動計画の作成、タスクの実行などができるという。
AIエージェントだけでなく、「エージェント型AI(Agentic AI)」という言葉も見られるが、その違いは必ずしも明確ではない。また、ベンダーごとにエージェントによって実現を目指す内容も異なる。
テクノロジー分野のご意見番として有名なBernard Marr氏はForbesへの寄稿で、「ビジネスとテクノロジーを変革する次のブレークスルー」としてエージェント型AIを取り上げた。
ここでMarr氏はエージェント型AIを、「ある程度の自律性を持ち、特定の目標を達成するために自ら行動できる人工知能システム」と定義する。単純なプロンプトへの回答や事前に定義したタスク実行を従来のAIモデルとすると、エージェント型AIは意思決定や、行動の計画、経験からの学習をできる点などで異なるという。
例として、ビジネスではサプライチェーンを自律的に管理し、在庫レベルの最適化、需要予測、複雑な物流計画を処理できるAIシステム、サイバーセキュリティではネットワークトラフィックを自律的に監視し、異常を検出したらサイバー脅威にリアルタイムで対応できるAIシステム、などが考えられるという。
これは、GoogleがGeminiで、SalesforceがAgentForceで「AIエージェント」として説明していることと似ている。
なお、IT コンサルタントAddeptoの共同創業者Edwin Lisowski氏は、AIエージェントを「特定のタスクを実行するように設計したAI」、エージェント型AIを「自律性を持ち、周囲のデータを収集する”認識”、データを処理して状況を理解する”推論”、理解に基づき行動を決定する”行動”、フィードバックからの”学習”の4段階で動作する」としている。