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相次ぐ幹部流出 Salesforceの不協和音

株価は半分に下落、レイオフも

 コロナ禍でZoomやSlackといったコミュニケーションサービスを中心に、SaaS業界は思わぬ推進力を得た。だがここにきて、世界的な景況感の悪化、地政学的不安定、ドル高など米国系ソフトウェアには逆風が吹いている。

 Salesforceも例外ではない。実際、同社の株価は年初以来低迷し、半分程度まで下げている。2022年10月締めの直近の四半期、同社の売上高は前年同期比14%増と減速しており、今期はさらに下がりそうだ。Wall Street Journalによると、今期の前年同期比成長予想の中間値は9%増で、過去最低レベルという。

 「これまで20%以上で成長してきたSalesforceにとって屈辱的な数字」と同紙は指摘する。さらに、「一時的なものではなさそうだ」とし、新規取引高を示す売上高が前年同期比5%にとどまったこと、Salesforceがこれまでの慣例を破って、来年度の見通しを示さなかったことなどを指摘している。

 11月には、Salesforceは数百人規模のレイオフをすると報じられていた。また、プレジデント兼最高戦略責任者のGavin Petterson氏が辞任し、来年1月で退社することも発表されていた。

 Taylor氏辞任の発表後にCNBCの取材を受けたBenioff氏は、「人は来ては去っていく」と述べた。経済環境については「経済は完璧な状態ではない。だが回復した時、最も重要なのは顧客を大切にすることだ。なぜなら企業と顧客は一緒に成長するからだ」と答えている。