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企業文化の曲がり角 従業員の不満続くGoogle

 Googleで従業員と会社間の“きしみ”が目立っている。「Googler」といえば、世界の優秀なテクノロジー人材のあこがれの称号だ。働きたい会社ランキングでも常に上位にある同社は、シリコンバレーの自由闊達な企業文化の象徴でもある。人もうらやむGoogleの従業員と会社との間で、何が起こっているのだろう。

人事評価制度改革

 Googleは5月10日、新しい人事評価プロセスを発表した。「Googler Reviews and Development」 (GRAD)と名付けている。従来は各従業員について年2回、自己評価、同僚評価、上司評価をして、昇進の材料にするという仕組みだったが、年1回に集約した。

 また新制度では最も重要な仕事に集中するため、管理職と従業員は目標を共有し、年間を通じてフィードバックとチェックを行う。日々の成果を反映するという方式で、ブログでは「上司とともにキャリアと進歩に取り組む方法」と説明している。

 この制度改革の背景は、従業員の不満があったことをThe Informationが5月4日付で報じていた。従業員アンケートでは、現在の制度が「時間を有効に使っている」と答えた比率は53%にとどまり、相当数の従業員が不満を持っていることが分かった。同社は毎年、従業員の声を聴く「Googlegeist」と呼ぶ調査を行っており、その一部がリークしたようだ。

 Insiderも今年のGooglegeistレポートを入手したというが、それをみると、待遇面での従業員の不満が上昇傾向にあることが分かる。

 「自分の報酬は他社の同職種に負けていない」と回答した従業員は53%(前年63%)、「負けている」が27%(同18%)。また「自分の報酬総額は公平・公正」とした回答は60%(同66%)で減少傾向だった。

 Insiderの取材では、さらに新型コロナの状況好転を受け、在宅勤務から週3日の出社を義務付ける方針が示されたことも不評だったようだ。